面白い歴史が⁉ タイ国歌のヒミツ
毎朝毎夕 恒例のアレ
タイでは毎日、朝8時と夕方6時に国歌が放送されます。
道行く人々は立ち止まり、ある者は王宮の方角を、またある者はスピーカーを見上げ忠誠を誓うこの習慣は、タイで暮らす方々には恒例となっています。
しかし反面、その歌の内容を意外と知らない人が多いのではないでしょうか。
今回はそんなタイ国歌に焦点を当て、その秘密をさらっと解き明かしていきましょう!
(↑観光客を乗せるためのゾウ。タイでは、国を象徴する動物であるゾウも 式典に参加することがあります。)
《目次》
タイ国歌 【เพลงชาติไทย】 そもそもの起源
タイ国歌が作られたのは、1939年。
以前は絶対君主制であったタイですが、1929年の世界恐慌により不安定になった生活を懸念した国民により、タイの政府体制に反発する声が上がりました。
その結果、1932年に行われた人民党によるクーデターで、タイの政府体制は絶対君主制から立憲君主制へと移行しました。
その出来事をきっかけに作られたのがタイ国歌です。
音楽が流れている間、タイ国民には直立不動の姿勢でタイ王国への敬意を示す義務が発生します。
また、これに反した場合は不敬罪で逮捕される可能性もあるので、タイ国民には最も注意すべき習慣の一つに当たるでしょう(ただし、医療や自動車等の運転といった業務に関わっている場合は例外)。
タイ国歌 その意味とは
それでは本題の、タイ国歌の内容について見てみましょう。
ประเทศไทยรวมเลือดเนื้อชาติเชื้อไทย
เป็นประชารัฐ ไผทของไทยทุกส่วน
อยู่ดำรงคงไว้ได้ทั้งมวล
ด้วยไทยล้วนหมาย รักสามัคค
ไทยนี้รักสงบ แต่ถึงรบไม่ขลาด
เอกราชจะไม่ให้ใครข่มขี่
สละเลือดทุกหยาดเป็นชาติพลี
เถลิงประเทศชาติไทยทวี มีชัย ชโย
タイ国民の血肉の結束によるタイ
タイの領地は全国民のものであり
タイ国民の愛と団結によってのこされていく
平和を愛するタイ国民
苦難に屈する臆病者はいない
侵されることなき国家の独立
自国の自由のため、命を捧げん
タイ王国万歳、永きに渡る勝利を!
なるほど、タイ国歌の内容は国家の繁栄と平和、そして自由を守るための勇気を鼓舞するためのものだったのですね。
19世紀から20世紀にかけての帝国主義の時代、東南アジアでただ一つ、独立を貫いた国として、今後も自国を守りたいという愛国心が強かったのかもしれません。
自由を意味するタイ(Thai)にふさわしい、高潔で勇敢な歌詞となっていました。
まとめ
さて、今回は皆さまお馴染みのタイ国歌について、一度原点に返る形でご紹介させていただきました。
国に忠誠を誓い、自国のためならば命すら捧げようとするタイの国民性には目を見張るものがあります。
それは我々日本人が失いつつある、何か大切なものを呼び起こしてくれたのでは?
余談ですが、タイ国籍を申請する際は、タイ国歌の歌唱も求められます。
皆さまもぜひ一度、歌ってみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
朝8時 ๘โมงเช้า (peetmoonkaw) ペートモーンカーオ
夕方6時 ๖โมงเย็น (hokmoonyen) ホックモンイェン
国歌 เพลงชาติ (phelng chāt) プレーンチャート
自由、独立 เอกราช (xekrāch) エークラート
愛国心 ความรักชาติ (khwām rạk chāti) クワームラックチャーティー
おまけ
↓タイへの愛国心が分かります。