【タイ祝日】父の日とは?王様の誕生日に込められた意味と伝統行事
サワディーカー!LABタイ語学校です。
本日は、タイの「父の日」について詳しく紹介します。
【父の日に使えるタイ語フレーズ】
สุขสันต์วันพ่อ
スックサン・ワン・ポー
(意味)父の日おめでとう
ขอให้พ่อมีความสุขนะ
コー・ハイ・ポー・ミー・クワームスック・ナ
(意味)お父さんが幸せでありますように
12月5日はタイの「父の日」
📅 なぜ 12月5日がタイの父の日なのか — 背景と歴史
まず12月5日は、プミポン・アドゥンヤデート(ラマ9世)前国王の誕生日です。
彼は1927年12月5日生まれで、長年にわたって国を導き、国民から深く敬愛された王様でした。王は「国民の父」とみなされ、多くの人々にとって父親のような存在だったため、その誕生日がそのまま「父の日(父親や父代わりの人々を祝う日)」として定着したと言われています。
また、12月5日は単に父の日だけでなく、タイ・ナショナルデー(国民の日/国としての祝日)としても扱われるようになっており、国家的に非常に重要な日です。
つまり、この日は「王様への敬意」「父親/家族への感謝」「国民全体の団結」をあわせて表す、複合的で深い意味を持つ祝日なのです。
🙏 この日に込められた意味と「国民の父」への敬意
王は長きにわたり国を導き、災害支援や農業・環境保護など多方面で国民の生活を支えてきたため、ただの君主ではなく、多くの人にとって「父親」「守り手」として心の中にある存在でした。
だからこそ、「王の誕生日 = 父の日」とされることで、王への感謝とともに、自分の父や家族に対する感謝を表すということにつながっているようです。
また、王室と国民のつながり、国民同士の連帯、「国」と「家族」を同時に大切にするタイらしい社会性・文化性も、この祝日の背景にあります。
🎉 12月5日が祝日であることの社会的意味
この日は国の祝日であるために、多くの学校や会社、公的機関、銀行などが休みになります。つまり、多くの人が日常生活を離れて家族や地域、国に思いを寄せる時間を持つことができます。
また、街や公共の場では王を称える式典やライトアップ、国を祝うイベントなどが開催されます。
(ライトアップイベント)
例えば首都バンコクでは王宮付近での催しや、全国的なキャンドルライト、祈りの式などが行われます。こうした「国として」「社会として」の祝賀ムードがあるため、普段とは違う特別な一日となるのです。まさに「国民全体で祝う父の日」と言えるでしょう。
💛 象徴としての「黄色」と「カンナの花」 — 儀礼・しきたり
タイでは曜日ごとに色の伝統があり、ラマ9世が生まれた月曜日は「黄色」が対応色です。そのため、この日は多くの人が黄色い服や小物を身につけて、王への敬意と連帯を示します。
また、伝統的には父や祖父に対して、カンナの花(タイ語: ดอกพุทธรักษา / Dok Phuttha Raksa)を贈る習慣があり、これは「男性らしさ」「尊敬」「感謝」の象徴とされています。
今でもこの習慣を続ける人は多いそうです。
タイにおける父の日の伝統的な過ごし方
タイでは、父の日はただ「父親にプレゼントする」「ご飯を食べる」だけではなく、国や王室への敬意、そして「家族」「社会」「コミュニティ」を再確認する意味が強い日とされています。
黄色い服を着る
タイの父の日といえば「黄色」は重要なキーワードです。
タイでは曜日ごとに色が決まっており、ラマ9世(故プミポン前国王)の生まれた曜日・月曜日を象徴するのが黄色とされています。
そのため父の日には、王への敬意を込めて黄色いTシャツやリボンを身につけて過ごすのが一般的です。デパートやショッピングモールでも黄色の服を着たスタッフが多く、街全体が一体となってお祝いする雰囲気を感じることができます。
「カンナの花(Dok Phuttha Raksa)」を贈る
伝統的な風習として、父親や祖父へ、カンナの花を贈る習慣があります。
カンナの花は力強さや男性らしさを象徴する花とされ、尊敬と感謝の気持ちを表す贈り物にぴったりです。
(カンナの花)
近年では花ではなくプレゼントやカードを贈る人も多いですが、父の日が近づくと街角のフラワースタンドにはカンナの花が並び、タイの伝統的な父の日の風情を残しています。
お寺参り・お布施や托鉢で「功徳(メット)」を積む
タイでは特別な日はお寺からはじまることが多く、父の日も例外ではありません。
朝に寺院へ出向き、お坊さんへ食事を捧げたり(托鉢)、寄付をしたりして、父や家族の幸せ・健康を祈るのが広く定着した過ごし方です。
この「功徳(メット)」を積むという行為には、自分のためだけでなく「家族や周りの人々にも良い徳が巡るように」という想いが込められています。
家族そろってお参りをすることで、信仰と家族のつながりを改めて感じられる日でもあります。
家族みんなで食事や団らん
夕方になると、家族そろって食卓を囲む姿があちこちで見られます。自宅で父の好きな料理を作る家庭もあれば、レストランで食事会を開くケースも。さまざまな祝い方が定着しています。
最近は父の日限定で、「お父さん無料ディナー(Dad dine for free)」といったプロモーションを行うお店も増えていて、家族でのお祝いを後押しする雰囲気に包まれています。
地域のイベント・チャリティ活動に参加
夜には、王を称えるキャンドルライト式典が行われる場所も多く、多くの人々が手にキャンドルを掲げて祈りを捧げます。
また、公園や学校などではゴミ拾いや植樹といった社会貢献イベントが開催され、「国の父」を敬うと同時に、地域の一員としての責任とつながりを再認識する日でもあります。
年齢や立場を超えて「みんなで祝う父の日」になっています。
(豆知識)タイの祝日文化・ “王室ゆかりの日”
5月4日:王様の戴冠記念日(King’s Coronation Day)
「王様の戴冠記念日(King’s Coronation Day)」は、現国王・ワチラロンコン(ラマ10世)が正式に即位し、戴冠式を行った日を記念する祝日です。
(2019年5月4日 / 現国王・ワチラロンコン国王が正式に即位した際の写真)
タイでは、王室の戴冠式は国家の重要な儀式であり、この日を祝日として国民が王への敬意を表すようになっています。
8月12日:母の日(Mother’s Day) / シリキット王妃誕生日
タイにおける母の日は、シリキット王妃の誕生日に由来しており、タイでは王妃が母の象徴として広く尊敬されています。そのため、この日は母親や女性に感謝の気持ちを伝える日として、国全体でお祝いが行われます。
街や家庭ではピンクの服や小物を身につける人が多く、王妃や母への敬意を表す習慣となっています。父の日同様、家庭では、母や祖母に花やプレゼントを贈ったり、家族そろって食事や団らんを楽しんだりするのが一般的です。
また、お寺を訪れて母や家族の健康を祈るお参りをしたり、王妃の肖像に献花する公共の式典に参加する家庭もあります。こうした行動を通して、母の日は単に「家族で祝う日」だけでなく、王室や社会とのつながり、そして家族への感謝を改めて感じる大切な日となっています。
10月23日:チュラーロンコーン大王記念日(King Chulalongkorn Day)
チュラロンコン大王記念日は、毎年10月23日に祝われる、タイの国民の祝日です。
これは、1910年10月23日にチュラロンコン大王(Rama V)が亡くなった日に由来しており、彼の偉大な功績と在りし日の偉大な統治を記憶し称える日とされています。この日は公的機関、学校、銀行など多くの機関が休みとなり、国として王に敬意を表す重要な祝日です。
各地にあるチュラロンコン大王の銅像や像の前で献花・献 wreath(リース)を行い、王への敬意と追悼の意を表すのが一般的です。
また、お坊さんへの供養・托鉢、またはお布施を行うなど、仏教的な儀式を通じて王の冥福や国の安寧を祈る人も多いです。
最後に
今回は、タイの「父の日」と王室にまつわる祝日について紹介しました。
日本の祝日文化とは少し異なり、国全体でお祝いをする文化があったり、国によって祝日文化が異なるのはとても面白いですね。
もし、タイの祝日にタイに訪れることがある際はぜひ日本との違いを楽しんでみてくださいね!🙏🏻✨
【感謝を伝える際に使えるタイ語フレーズ】
ขอบคุณมาก
コープクン・マーク
(意味)(とても)ありがとう
เป็นพระคุณอย่างสูง
ペン・プラクン・ヤーン・スーン
(意味)深く感謝申し上げます






