オリジナル雑貨の店から広がる世界。【Chico Design Co., Ltd. 松本 幸子さん】
Chico Design Co., Ltd. 松本 幸子様
埼玉県 八潮市出身 48歳
専門学校でプロダクトデザインを学び、卒業後は東京でデザイン事務所に勤める。学生時代、デザイン、建築を見るべくバックパックでヨーロッパを周遊したこともあり、日本にいる間から海外思考は強く持っていた。初めからタイに行こうと考えていたわけではなかったが、知り合いのデザイナーがタイの日系インテリア会社の顧問をしていたこともあり、事業立ち上げの際に誘われたことがきっかけで渡タイした。
しかし、渡航後間もなくアジア通貨危機の影響もあり、その会社が閉鎖してしまった。タイで何かをやり遂げてみたいという想いから、松本さんはそのままタイに残り、2001年に現在の事業『Chico Design Co., Ltd.』を立ち上げた。もともとプロダクトデザインをしていたこともあり、タイでのものつくりに関わりはじめた事からオリジナルデザインの雑貨を販売する店とカフェを併設した店『Chico』開店させた。松本さんオリジナル、こだわりの雑貨と猫に囲まれながらくつろぐごとができると、タイ人からも日本人からも人気が高い。
Business Contents
― まずは事業内容について教えてください!
メイン事業は、カフェを併設した雑貨屋『chico』の経営、オリジナルブランド『CHICO DESIGN』の商品デザインとその卸販売 です。そのほかにも、雑貨や小物デザインの企画と開発、雑誌、メディア関連のコーディネート業務、取材、インテリアスタイリング、インテリアコーディネーター、他社ブランド商品の企画・開発・製産管理、ライター業務なども承っています。別の会社としてですが、去年託児所の経営も始めました。
何か頼まれたとき、頼ってくれたことに感謝して引き受けていたら、「なんでも屋」のようになっていました。基本は私がメインで動きますが、スタッフ一同、その他製作に関してはタイ人の多くの職人の協力も得ながら進めております。
― 人から頼まれたことがきっかけで始まった業務の例などはありますか?
メディア関連のコーディネートは、女性誌のライターをしている友人から相談を受けたことがきっかけで始まりました。ありがたいことにその後、人づてに評判を広げていただき、現在ではコーディネート業務が仕事の3割を占めるほどになっています。
― まさにご縁ですね。話は変わりますが、雑貨制作へのこだわりがあれば教えてください!
デザイン性を損なわずに、実用的かつ安全なものを作ろうとしています。スプーンやお皿など実用性の高いものは口に入ったりするので、ケミカルな素材ではなく、安全性の高い素材で作っています。時々、お客様がデザインや使い心地などについて感想を言ってくださることもあります。リピーターの方もいらっしゃり、とてもありがたいと感じています。
-嬉しいことですね。『chico』では、どんな空間づくりを心がけていますか?
『chico』はお店の内装から庭まですべて自分でプロデュースしています。併設したカフェは、タイ語でいうと「サバーイ サバーイ」な、リラックスできるような空間になるようにデザインしました。最もこだわったのは中央にある大きな石のテーブルで、大きなテーブルに皆さんが座っておしゃべりでもできたら良いなと思い、現場で自ら作りました。
-いつからネコちゃんたちはカフェにいるのですか?
今のお店を建てる前に別の場所に小さなお店があったのですが、そのお店にネコが住み着いたのが始まりです。その後、道端の怪我しているネコや捨てネコを見ると放っておけず、連れて帰って世話などして保護していました。そうしている間にだんだん数が増えていきました。今お店の前の猫の家にいるネコは、バーンメオというタイ猫原種繁殖保護施設より引き取って来たネコたちです。いろいろな理由から繁殖できないネコたちもいるので、引き取ってきたのがきっかけでこちらでもどんどん増えてきたので、お客様とふれあえる場所としてこの家を作りました。
Passion
-バーンメオさんの活動は、どのようにして知ったのですか?
NHKのドキュメンタリーの制作にコーディネーターとして携わった際に取材に行き知りました。その後、個人的に仲良くさせていただいており、先ほどお話したネコたちのことも個人的にご相談いただきました。
実は、もともとタイには原種のネコが約29種いたと言われているのですが、5種まで数が減ってしまっています。バーンメオでは、オーナーのプリチャー氏がそんな希少種を守ろうと活動を続けられています。観光で来られる人の募金などで成り立っていますが、運営は厳しいようで、施設の老朽化が進んでも、なかなか修繕できないようでした。そんなバーンメオとネコたちを支援しようと、昨年クラウドファンディングで支援金を募り、2月にはその支援金を元に修繕工事を開始いたします。またHISにバーンメオに訪問するツアーも組んでいただき,少しずつタイ在住の方にも認知されるようになってきました。今後も、積極的に支援活動をしてタイのネコたちのためにできることはしていきたいと考えています。
―そんな松本さんの原動力を教えてください!
特に強くこうしたい、と思っていることがあるわけではないです。ですが、どんなお仕事、ご相談事でも、せっかく私を選んでお話してくださったものなので、その信頼に対する感謝の思いを持って取り組んでいます。もしかしたら私じゃなくてもよい仕事だったかもしれない、だけど私を選んでくれた、その気持ちといただいたご縁を大切にしたいという思いです。
—今後事業を拡大する可能性はありますか?
守るものは守りながら、常に新しいものを発信していきたいと考えています。しかし、全く新たな事業を始めるのではなく、現在の事業の延長線上で何かできれば良いな、と考えています。常に前向きに行動していれば、いつかそのような機会は得られると感じています。
Needs
—学生インターンを受け入れてくださる可能性は…?!
やる気がある学生ならば引き受けようと思います。若い学生さんたちにとってインターンなどはきっと良い経験になると思っていますからね。普段はタイ語と日本語を使うことが多いので、タイ語が話せる子がいたら嬉しいですね。だけど、最終的には本人のコミュニケーションを取ろうという意識次第なので、やる気があればその点は大丈夫だと思います。
Details
E-mail : chico@chico.co.th
Webサイト:http://chico.dtkad.com/
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