【ラオス・ヴィエンチャン】ビザラン旅で発見した本場イサーン料理|タイとの文化・言語の違いも徹底解説
サワディーカー!LABタイ語学校です。
本日は、ビザランブログ第2弾✨「イサーン料理」について紹介します。
(ビザランとは:滞在期間を延長するために、一度出国してその国に再入国することを指します。目的は主に観光ビザやノービザ滞在(30日以内)での滞在延長です。私は今回タイでの滞在期間を延長するため、陸路でラオス・ヴィエンチャンへと旅行をしました。)
第1弾記事はこちらから読むことができます!→【2025年最新】ウドンタニからラオス・ビエンチャンへの国際バス完全ガイド|陸路国境越え体験記
【注文する時に使えるタイ語フレーズ】
ขอสั่งอาหารหน่อยครับ/ค่ะ
コー サン アーハーン ノイ カップ/カー
(意味)注文してもいいですか?
เมนูแนะนำมีไหม
メーヌー ナンナム ミー マイ?
(意味)おすすめはありますか?
ไม่เผ็ด
マイ ペッ
(意味)辛くしないでください
イサーン料理とは?
🌾 イサーン料理とは?
イサーン(อีสาน / Isan)はタイ東北部一帯を指し、タイ国内でも最大の地域を誇ります。
メコン川をはさんでラオスと国境を接しており、気候は乾季が長く、農業中心の生活が根付いてきました。
その地理的背景から、言語・文化・宗教・食生活にいたるまで、ラオスと多くを共有しており、イサーン料理はしばしば「ラオス料理の親戚」と呼ばれています。
さらに、保存食や発酵食品が発達してきたのも特徴です。昔から人々の知恵によって、自然の恵みを長く美味しく味わう技が受け継がれてきました。
今ではタイ全国、そして世界中へと広がり、タイ料理を代表するジャンルのひとつとして確固たる存在になっています。
🧂 イサーンの味の特徴
イサーン料理は辛味・酸味・塩味が三位一体となり、さらに食べる所作までもが独自性を持つ、非常に個性的な食文化です。
- 辛さ:唐辛子を惜しみなく使用。強烈な刺激がクセになります!
- 酸味:ライムや発酵調味料由来の爽やかな酸味。🍋
- 塩気:発酵させた魚の調味料「プラーラー」が旨みを底上げします。
- 食べ方:主食はカオニャオ(もち米)。手で一口分に丸めて食べます。
(カオニャオ・カオが「米」という意味で、ニャオが「粘り」という意味をもっています。)
このもち米文化は、イサーンとラオスのつながりを物語っています。もち米は腹持ちがよく、外で働く時間の長い農村生活にぴったりなのです。
この辛さと酸味、発酵の旨みが三位一体となった「力強くて元気が出る味」がイサーン料理の最大の魅力なのです。
🥗 有名なイサーン料理
ソムタム
青パパイヤを細く刻み、唐辛子とライム、そして独特の風味を持つ発酵調味料「プラーラー」で和えたサラダで、ラオスの食文化を色濃く引き継いだ一品です。
辛さと酸味がダイレクトに感じられ、箸が止まりません。
ガイヤーン(焼き鶏)
ココナッツミルクや香草でじっくりと味を染み込ませ、炭火で表面をパリッと、中はふっくらジューシーに仕上げます。
カオニャオとの相性は抜群で、ワンセットで注文されることが多い定番料理です。
ラープ
挽き肉をハーブやスパイスで和えたイサーンを代表する肉料理。
ミントやレモングラスなど香り豊かなハーブが爽快に香り、ラ オス発祥とされる料理でもあります。
地域によって味付けが異なるのも面白いポイントです。
ナムトック
ラープに近いスタイルながら、肉汁(=ナムトック/滝)がキーワード。
焼いた肉の旨みと、炒った米粉の香ばしさがプラスされ、より濃厚で食べ応えのある味わいです。
サイクローク・イサーン
お米が入った独特の発酵ソーセージで、発酵由来の軽やかな酸味と肉の旨みがクセになります。
屋台でもよく見かける、庶民のおやつやおつまみとしても愛されている、親しみやすい一品です。
ラオスで「イサーン料理」を食べてみた!
せっかくなので、ラオスで「イサーン料理」を食べてみました。
今回は、ラオス・ヴィエンチャンにあるローカル食堂「」にて、ソムタムをいただいてみました。
(ソムタム・25000LAK〜(日本円で約180円・タイバーツで約40バーツ))
ソムタムにはいくつか種類があるとのことで、タイのソムタムとラオスのソムタムは似ているものの少し違う部分があるそうです。
スタッフさんの提案もあり、魚醤を効かせたソムタムがラオスならではということで、せっかくラオスに来たのでラオソムタムをいただいてみました。
以前タイで食べたソムタムからは、魚醤をあまり感じなかったのでラオスのソムタムはまた違った味わいで面白かったです。とても美味しかったです!
(ビアラオ大瓶・35000LAK(日本円で約250円・タイバーツで約50バーツ))
辛くて味が効いているソムタムに合うのは、なんと言ってもこのビアラオです。人生で初めて飲みましたが、東南アジアのビールなので日本のビールよりは薄いものの、深い味わいがありとても飲みやすかったです。
カオニャオとも一緒にいただきたかったのですが、時間の関係上、閉店ギリギリに駆け込んでしまったためこの日は売り切れたとのことでした。
次は、カオニャオとも一緒に食べてみたいです!🤩✨
(豆知識)タイとラオスの関係性・言語編
■ 1. 同じ言語グループに属する「兄弟語」
タイ語(標準語)とラオス語は、ともに「タイ・カダイ語族」と呼ばれる言語グループに属します。
語彙の大半、文法構造、声調の仕組みが似ており、もともと言語的には“兄弟”のような関係にあります。
たとえば「ありがとう/こんにちは」などの基本表現も近く、
タイ語:サワディー ⇔ ラオス語:サバイディー のようにほぼ同源語です。
■ 2. 歴史①:ラーンサーン王国(ラオス)とイサーンの関係
14〜18世紀に存在したラオスの「ラーンサーン王国」は、現在のラオスだけでなく、タイ東北部(イサーン)も勢力圏に収めていました。
そのため、
-
イサーンに住む人々の多くはラオス系のルーツ
-
もともとラオス語に近い言葉を話していた
-
食文化・音楽・生活様式もほぼラオスと同じだった
という背景があります。
つまり、イサーン語はラオス語の“方言の一つ”といえるほど近い言語なのです。
■ 3. 歴史②:タイ(アユタヤ/ラタナコーシン)による統治と「タイ化政策」
19世紀頃、現在のタイ王国(ラタナコーシン朝)が勢力を強め、イサーン地域を自国の領域として編入していきます。
その過程で進められたのが、中央タイ語(バンコクの言葉)を国全体の標準語とする「タイ化政策」です。
-
学校教育 → 中央タイ語で統一
-
公文書・メディア → 中央タイ語のみ
-
地域言語の使用 → 制限や、非推奨の時代も。
その結果、イサーン語は話し言葉として残りましたが、書き言葉としての使用がしだいに消滅し、多くのイサーン人は「母語=イサーン語、読み書き=中央タイ語」という二重言語環境をもつという、独特の言語状況が生まれました。
■ 4. 歴史③:ラオス側の言語政策(フランス統治〜現代)
一方のラオスは、フランス保護領の時代を経て、教育制度や文字体系を整えながらラオス語を国語として保持していきます。
-
ラオス文字を正書法として使用
-
ラオス語が公用語として盤石
-
メディアもラオス語中心
結果として、
- イサーン語=話すとラオス語に非常に近いが、タイ文字で書く
- ラオス語=ラオス独自の文字を使用
という「話すと通じるが、書くと違う言語」という関係が生まれています。
■ 5. 現代:国境を越えて通じ合う“互換性の高さ”
現在、タイとラオスの国境地帯では以下のような状況が見られます。
-
イサーン人とラオス人は日常会話ならほぼ問題なく意思疎通が可能。
-
観光地や市場では、両国の言語が混じった「ラオス寄りのタイ語」が普通化。
-
音楽(モーラム)や食文化が国境を越えて共有されています。
つまり、民族・文化・言語の連続性が今も残る“ゆるやかな文化圏”が続いています。
最後に
今回は、タイの東北部やラオスでよく食べられている「イサーン料理」について、詳しく紹介しました。
国境を越えて、昔から今もなお繋がり続いている「イサーン文化」は、ラオス国内にいてより一層感じることができました。
みなさんもぜひ1度、ラオスへ旅をしに訪れてみてはいかがでしょうか!✨
【会計時に使えるタイ語フレーズ】
คิดเงินด้วยครับ/ค่ะ
キット ネン ドゥアイ カップ/カー
(意味)お会計をお願いします
ผม/ฉันจ่ายเงินสดครับ/ค่ะ
ポム/チャン ジャイ ネン ソット クラップ/カ
(意味)現金で支払います。
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