タイにも遺言書はあるのか?タイ人の死生観に迫る
日本では、高齢化社会の影響もあって「終活」という言葉ができ、生と死について、人生の終わらせ方について考え行動するというムーブメントが起こりました。遺言書に関しては以前から重要視されていましたが、近年の終活ブームによって遺言書の関心度が大きく上昇しました。
では、タイではどうでしょうか?
結論からいうと、日本と同様に、タイでも遺言書はあります。
しかし、タイは
・輪廻転生の考え方を持つ人が多い
・相続税の適応範囲が狭い
・世界的にみても格差が大きい社会である
など、日本との相違点は数多く存在します。
この記事では、タイにおける
・遺言書の内容
・遺言書を書く目的
・宗教との関連性
についてまとめてみました。
タイの遺言書の内容
動産、不動産の相続人を指定
銀行預金や金融証券、不動産の相続人を指定したり、配分に関する要望ができます。
遺言書の内容と法律によって遺産相続がなされるが、
特にタイでは、遺言書の権限が強いと言われています。
また、相続廃除者の指定の要件が、日本より緩和されています。
死後の要望を記載
遺言書を使って、死後の要望に関して記載するためにも使われます。
葬式についての要望、未成年者の保護者の指定などができます。
タイ人が遺言書を書く目的
死後の手続きを円滑に進め、家族に迷惑をかけないようにするため
遺言書があると、相続がスムーズに行えるという利点があります。
家族に迷惑をかけたくない、といった気遣いの気持ちから書かれます。
資産相続の受取人としては、「遺言書による相続人」と「法定相続人」
の2つがありますが、遺言書があれば、遺言書による相続人の優先順位があがります。
(個人的な要望がある場合に)相続等に関する要望がある場合
遺言書の作成者の資産や葬式のとりまとめなどについて、どのようにしてほしいかを遺言書に残すことで、その要望に法的拘束力を与えることができます。
※しかし、遺言書を書けば全てが適用されるとは限りません。
※詳しく知りたい、知る必要がある方、は弁護士の方などに相談しましょう。
タイの宗教【仏教】との関連性は?
私見ですが、宗教的思想の影響は少なく、相続に関する公的書類の中の一つとして使われるものといった印象を受けました。
国民の約95%にあたるタイ人が仏教徒であり輪廻転生の考え方が広く普及しているタイですが、遺言書には来世があると考える人々特有の項目は見受けられませんでした。
(諸説あるが、国民の半数以上は来世を信じている、という認識が一般的)
タイの相続税との関連は?
タイの相続税の税率は低く、適応範囲も限定されています。
しかし、相続や所有といった資産に関する概念はあるので、遺言書も存在し、それに対し効力を発揮します。
相続税が低水準に留まっているのは政治の影響によるもので、宗教思想との関連は低いと思われます。
☆注意ー日本人(日本国籍を持つ者)は日本の民法に沿って遺言書を作りましょう
最後にータイにも遺言書はあるのか?タイ人の死生観に迫る
いかがでしたか?
遺言書を書くときは自分の死後について想像しながら書くと思いますが、遺言書は実務面で便利なツールであることがわかりました。
この記事と合わせて、タイ人の価値観や性格について勉強してみましょう。
※タイ人の誕生日の祝い方
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―タイ語でなんていうの?遺言書編―
・遺言書 จะมีอายุและพินัยกรรม
Pinaigaam, Kham-sungsiang-krang-sudthaai
ピナイガーム、カムサンスィアンクランスッ(ド)ターイ
・宗教 ศาสนา sàat sa nǎa サーッ サ ナー
・仏教 ศาสนาพุทธ sàat sà naa pʰút サーッ サ ナー プッ
・信仰する นับถือ náp tʰɯ̌ɯ ナップ トゥー
・出家する บวช bùat ブワット