タイセブンイレブン運営!CP ALLの銘柄分析
サワディーカップ!LAB タイ語学校です。
皆様、CP ALLという企業をご存知ですか。
タイにお住まいの方なら知ってる方も多く、日本在住の方でも新聞などで名前を聞いたことはあるかも知れません。
CP ALLはタイにて大手コンビニエンスストアのセブンイレブンを運営している会社になり、タイ国内の企業で時価総額が3番目に大きな会社となります。
今回はタイの企業CP ALLを株式としての観点より分析していきたいと思います。
●投資には、信用リスク・価格変動リスク・為替変動リスク・カントリーリスク等が存在します。あくまでご自身の責任及び判断に基づき取引を行ってください。
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①沿革と事業内容
CP ALLはthe Charoen Pokphan Group によって1988年にタイ国内でセブンイレブン事業を行うために創設されました。
1989年にパットポンにて最初のセブンイレブンが生まれ、その後コンビニエンストアに関連する様々な事業を始めました。( 日本のセブンイレブンにもあるサービスですが、支払いに関するサービスや、自社製品の食べ物の開発、販売などです )
2013年には大手小売でスーパーマーケットを運営するSiam Makro Public Company Limitedを買収しました。
現在、CP ALLは下記7つを主な事業として行なっています。
CP ALL 7つの主な事業
①コンビニエンスストア事業
②Siam Makro事業
③金融サービス事業
④即席食品&ベーカリー事業
⑤教育投資事業
⑥ソフトウェア事業
⑦マーケティングコミュニケーションサービス事業
②株価分析
上記で述べたように様々な事業を行なっているCP ALLですが、全体売上の85%程度はセブンイレブン経営などの小売サービスから成り立っています。銀行業も行なっていますが、売上は全体の6%程度くらいで、やはりセブンイレブン事業がCP ALLの業績に最も影響のある事業であると言えるでしょう。
では株価など数値を見ていきましょう。ここからは少し専門的な言葉が出てきますので、言葉の意味を知りたい方はこちらの記事を併せてご参照くだい。( 株式投資を考えている人必見!株式投資の基礎 )
( 本記事のCP ALLに関するデータは2023年1月26日のものになります。是非その時々のデータもご確認ください )
まずは下記にデータをまとめていますのでご覧ください。
〜CP ALLの株価基本情報〜
株価 68.25THB
時価総額 613,096 million THB
PER 36.7倍
PBR 6.22倍
ROE 17.3%
債務/資産 49.6%
時価総額
まず時価総額ですが、613,096 million THBと、日本円で換算すると 約2,4兆円となります。CP ALLはタイ企業において5番目の時価総額の大きさを誇る企業になります。
CP ALLの規模感は言うまでもなく非常に大きく、タイ屈指の大企業といえるでしょう。
日本企業の規模感でいうと花王やエムスリーあたりになります。
PER
続いてPERを確認していきましょう。
PERは36.7倍です。タイの株式指数であるSET指数(タイ証券取引所に上場している株式の時価総額加重平均の指数。日本でいうTOPIXみたいなもの)から読み取れる、タイのPERは約17.7倍 ( 2023年2月14日基準 )なのでCP ALLの株価は割高であると考えることができます。
PERでの比較は原則同業他社と行うものになります。
そのためCP ALLのライバルとなる企業Central Pattanaと比較してみましょう。
Central PattanaのPERは33.6倍になります。( 2023年2月7日基準 )
Central Pattanaは小売業のみならず不動産業やホテル運営なども行なっており単純な横比較は難しいところもありますが、CP ALLより低いPERです。
そのため、利益から確認できる株価水準の割高感を見るとCP ALLの株価は若干割高であるということがいえるでしょう。
PBR
次にPBRを確認してみましょう。
PBRは6.22倍です。
PBR6.22倍という数値は若干高く感じます。
PBRは株価/一株当たりの純資産で求められますので、一般的にPBRが高いということは分母である純資産が少なくて負債が多く、かつ分子にくる株価の水準が高いということが考えられます。
CP ALLの債務/資産は49.6%であり、財務状況は決して悪いわけではありませんが、現株価はCP ALLがもつ純資産の水準から考えると割高ということがいえるでしょう。
ROE
ROEを見ていきましょう。
CP ALLのROEは17.3%です。これは優秀な数値であるといえるでしょう。ROEはいかに少ない株式資本で利益を生み出せているかを示す指標になりますが、日本企業の平均的なROEは8%台と言われています。CP ALLは資金効率が高く上手に稼いでいる会社であると考えられます。
ちなみに前述のCentral PattanaのROEは13.0%です。決して低い水準とはいえませんが、資金効率面で考えるとCP ALLは非常に財務戦略に長けた企業であると考えられます。
③まとめ
いかかでしたでしょうか。
CP ALLは社会的責任のある企業としてSDGsへの取り組みも積極的に行なっています。2021年には
- 安全な食品と水へのアクセス
- エネルギー消費の効率性
- 持続可能な包装管理
- 持続可能な廃棄物管理
という4つの課題を新たに挙げ、それらの解決に向け試行錯誤を行なっています。
また、CP ALLは日本人にとって馴染みやすい企業であります。
セブンイレブン事業の運営を行っているということだけでなく、伊藤忠やトヨタなど日本の大企業と協業を行なっているからです。
今後も更なる活躍ができるCP ALL。 是非株式分析のご参考にしていただければと思います。
●投資には、信用リスク・価格変動リスク・為替変動リスク・カントリーリスク等が存在します。あくまでご自身の責任及び判断に基づき取引を行ってください。