今までなかったものを当たり前に 物流がアジアへ届ける感動【KNOIKE ASIA Co.,LTD 村上さん】

 

2018年で創業から138年目を迎えた鴻池運輸。現在、日本のみならず世界へと「鴻池品質」のサービスを届ける。今回、お話を伺わせていただいたのは「KONOIKE ASIA(THAILAND)CO.,LTD.」代表と「KONOIKE-SOTUS VENTURE CO.,LTD.」ディレクターを兼任する村上直弘さん。タイでの事業展開と村上さんご自身のご経歴について語ってくださった。

 


Business:「全てを自社で一括管理!-タイで展開するワンストップサービス-」


ー「タイではどのような事業展開をされていますか?」

下の表のとおりに、5つのグループ会社がそれぞれの事業分野で展開しています。お客様にはグループ会社としてそれぞれの分野を掛け合わせた総合的なサービスを提供しています。特に「定温業務サービス」は大手タイ企業にも高く評価していただける自社の強みになります。

KONOIKE ASIA (THAILAND) CO.,LTD. 海上輸送、航空輸送による輸出入フォワーディング事業・近隣国へのクロスボーダー輸送
KONOIKE COOL LOGISTICS (THAILAND) CO.,LTD. 定温倉庫業務サービスの提供(Food Defenseへの取り組み・保管時の温度管理・輸送・付帯業務)
KONOIKE EXPRESS (THAILAND) CO.,LTD. 定温物流ネットワークの展開
KONOIKE-SOTUS VENTURE CO.,LTD. タイ進出を考えている日系企業のトータルサポート(会社設立業務代行・事業投資、

事業開始後の会計・給与計算・納税等の代行、貿易業務・展示会開催サポートなど)

KONOIKE J.TRANSPORT (THAILAND) CO.,LTD. 鋼板や建設用資材等の運搬業務

ー「総合的なサービスを提供するうえで、なぜ5つの会社に分かれているんですか?」

これはタイの特殊な事情からなんです。タイでは「1つの会社に対して複数の事業内容・許可が取れない」という仕組みのため、1社では総合的なサービスを展開できません。総合力で勝負するために5つの会社が必要なんです。お客様には、KONOIKE Thailand Groupサービスとして、営業を行っております。

ー「その総合的なサービスが“ワンストップサービス”といわれるものですか?」

その通りです。「フォワーディング・ロジスティクス・コンサルティング」の問題を一括でお引き受けします。例えば、輸出入した製品をそのまま倉庫へ、そこで管理し、またそれを販売拠点へ運送するというところまで、鴻池グループで全てやってしまえます。また、「KONOIKE-SOTUS VENTURE CO.,LTD.」では会社設立業務や出資業務などのコンサル業務や、会社運営サポート、貿易業務、展示会などのイベント開催サポートもしているので、実際に「ものを運ぶ」だけでなく、「ものを売る」、「経営支援」までKONOIKE Thailand Groupではワンストップで提供することが可能です。

ー「全てを一括でサポートしてくださるのは大変魅力的ですね!」

もちろん、手続き的な面倒を減らしたり、複数社を跨ぐことによるトラブルを回避できるので、お客様が本業に集中できる時間を増やすことにつながりますね。「物流」を盛り上げるには、輸送する製品が安定的に増えることが前提ですからね。また、様々な分野でお客様を継続的にサポートすることで、違う分野で新たに発生した問題への対応も可能です。「待ちの姿勢」ではなく、積極的にお客様に関わることで結果的に次の仕事をいただいております。

ー「今後の課題はございますか?」

今後というより、常に考えていることは「どうやってお客様に付加価値を伝えるか」です。やはり、現地のタイ企業と比べると自社のサービス提供価格はやや高めではありますから…。ただ、価格を下げるのではなく、技術や品質の高さを理解してもらって、お客様がご納得して自社を選ぶという形が理想ですよね。もっとより多くのお客様が私たちを選んでくださるように模索しているところです。


Career:「スペインに魅せられた学生時代・物流にかける思い」


ー「どのような学生時代を過ごされていたのですか?」

大学に入学したばかりのころはとにかく野球に熱中していました。大きな転換点は「スペインに行ったこと」です。何となく受けたスペイン語の授業がすごく面白くて、1回目の講義からパエリアの作り方を教えていたり、スペインの街並みを紹介したりしてたんです。その中でも特にフラメンコに感動しまして、そのまま、勢いで冬休みに単身スペインに乗り込みました。

ー「1人でスペインに!?」

はい、野球部はシーズンオフでチャンスだと思い、迷わず行きました。そして、現地で旅をしながらスペインの文化に触れ、スペイン語を勉強しました。その後、日本に帰ってきてからは、野球はもちろん、スペイン語や専攻分野の経済学など、勉強に対しても一生懸命取り組めるようになったんです。

ー「そこから、今のキャリアにつながるものはありますか?」

スペインに行ったこともあって「海外で働きたいな」「海外駐在」ということを何となく考えてました。大学では発展途上国の研究をしていたので、選択肢の1つとしてもちろん国連職員やNPO・NGOのような国際協力の道もありました。ただ、民間企業でできることを考えたときにふと「物流」を思いついたんですね。

ー「なるほど。村上さんにとって物流とは?」

「物流」ってサンタクロースみたいですよね。サンタクロースって子供たちのことを思い浮かべながら、プレゼントを仕入れて、届けるじゃないですか。子どものころ朝起きたらプレゼントが枕元にある。今でもその感動が心のどこかで残っています。今は、ネットショッピングがあるので、「自分で買いに行かなくても、物が届く」ってことが当たり前になってます。でも、「物が届く」ということは、実はすごく画期的なことですよね。「定温物流」も同じで、「今まではそこに無かったもの」を届けることができます。そうすることで、発展途上国の社会に貢献するという自分の夢を叶えられていると感じています。

 


Mind:「対話で伝える“善い会社”とは?-鴻池タイランドのVison」


ー「働くうえで大切にされていることは何ですか?」

「善い会社を目指す」ということです。これは、私が本社で経営企画の仕事につき、会社としてのVisionを考えていた時にふと思いついたことです。これを更に具体化したものを鴻池タイランドのVisonとして掲げています。

ーVision:「KONOIKE Asia (Thailand) will become the Best company for customer, for employee for society.」

タイに来たばかりのころ、社内では始業の挨拶も定着しておらず、いつ仕事を始めるのかわからないといったような状態でした。それでも、今までやってこれたのはタイ人の心を掴むための努力を続けてきたからです。日本流を押し付けるのではなく、人種・国籍・性別・役職など関係なくタイ人と、とことんやるべきこととその理由を説明する、従業員が納得するまで対話することが重要です。そうすると、タイ人もこちらの本気を感じて、意欲的に働いてくれます。またタイ人はVisionを明確にし理解すると、一体感を持ち、一生懸命仕事を全うします。タイ人は本気になれば、未来の目標や夢を堂々と自分の言葉で語ってくれますから、やる気が伝わってきて、私ももっと頑張ろうという気持ちになれます。ここが、タイの好きなところです。

ー「最後に伝えたいことはございますか?」

「善い会社」はただ収益が高いということとは思っておりません。高い品質のサービスを提供して、お客様の満足が得られた結果、収益につながると思っております。また、品質を高めるためにはもちろん最新の技術やノウハウが必要な場合もありますが、ただ最新技術を導入するのではなく、従業員と「高い品質とは何か?」といった事を納得するまで対話をし、意識改革をして基礎を固めることです。このように、内から外へ段階を踏んでいくことで、最終的には、高い品質を提供することが出来ると思っております。その結果、収益に繋がり、従業員が満足し、そして社会へ貢献できるものだと私は考えています。私の考えが、海外で頑張る人やこれから頑張ろうという人のお役に立てたなら、嬉しいですね。


Detail & Extra:「公式サイトのご紹介など」


  • 村上直弘さん

鴻池に入社後、営業1年、現場10年、本社海外総務部門2年、経営企画3年を経て、2008年からタイ拠点の立ち上げに携わる。その後、東京で1年営業をし、2015年6月からタイに駐在

      • 「KONOIKE GROUP」 http://www.konoike.net/
      • 「炭亭」 鴻池グループが開業した焼肉屋。
      • 定温物流の技術を生かし、安全にA5ランク和牛を提供している。


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LABthaiko先生のブログは2018年に産まれて日々多くの記事を作成しています。タイの様々なお役立ち情報を時にはタイ語を交えながらの記事にしたり、ニュースサイトとして、情報媒体としての役割を果たせるよう、もっと皆さんにタイについて知って頂けるようこれからも情報を発信していきます。