ベンジャロン焼きは何で王室御用達になったの??

MIA

 

ちょっと知っておくと楽しい、ベンジャロン焼きのあれやこれ。

 

お土産屋さんやデパートなど、どこでも見かけるタイの伝統工芸品ベンジャロン焼き。

どのような経緯で、この陶器がタイの伝統工芸品になったのでしょう?高価なものから比較手に入りやすい値段のものまで、その価格はどこを見て決定されているのでしょうか?

 

タイの伝統的なモチーフを金で装飾したベンジャロン焼き、その歴史や由来、選び方のポイントをご紹介したいと思います。

 

 

 

ベンジャロン焼きの基礎情報

 

タイでは三大陶磁器としてベンジャロン焼き、セラドン焼き、染付(青と白で装飾されたもの)が挙げられています。

その中でもベンジャロン焼きは、王室専用の陶磁器として登場した歴史があり、金彩と繊細な絵付けがされた豪華なデザインが特徴的です。

 

ベンジャロン焼きとは

  • タイの伝統工芸品
  • 王室御用達の陶器として誕生
  • ベンジャロン=五つの色
  • プリントは安価、手書きは高価

 

 

ベンジャロン焼きの歴史

1.焼き物文化が中国から伝来

スコータイ王朝時代

(1240年-1438年)

「スコータイ歴史公園」の画像検索結果

 

スコータイ王朝以前のタイにおいて焼き物は皿や保存用の器といった生活必需品としての役割をもっており、美術品が作られることはまれでした。

しかし、スコータイ王朝後期に中国から陶磁器の製造技術とデザインが伝来します。その頃よりタイでも美術品としての焼き物文化が花開いていきます。

 

2.ベンジャロン焼きの確立

アユタヤ王朝時代

(1351年 – 1767年)

「アユタヤ 」の画像検索結果

 

アユタヤ王朝時代後期に中国から白い陶磁器に顔料を用いて彩色する技法が伝わりました。

(→ベンジャロン焼きの製法が誕生)

 

これまでの陶磁器と違い色彩豊かなこの技法はアユタヤ王室にも大変気に入られましたが、当時のタイ国内にはまだ製作環境が整っていませんでした。そこで王室はお抱えの芸術家に陶磁器の文様をデザインさせ、それを中国へ送り、中国の人が絵付け。そのデザインを元に作られた陶磁器を購入していました。

これがベンジャロン焼きの始まりです。

 

 

その後、タイ国内で陶磁器の生産技術よりも先に絵付師たちの技術が確立したことで、中国から陶磁器を輸入し、タイで絵付け、それを中国へ送り焼き上げてもらう。という気の遠くなるような作業が行われていました。

王室御用達のデザインが流出し劣化版が大量に生産されるのを恐れて、運送は全てタイの人々だけという徹底ぶり

王宮とその周囲の人物しか所有することが出来ない最高の贅沢品でした。

(現在はタイで全ての工程が行われています。)

 

初期のベンジャロン焼きのデザインは↓の写真のように金彩のないものが主流。現在もアユタヤスタイルとして製造されています。

 

当時のアユタヤは東南アジアでも有数の商業都市。世界中の品々がアユタヤ王朝に捧げられました。その中には有田焼や古伊万里焼などベンジャロン焼きと同じ五彩で彩られた日本の陶磁器も。

 

3.金彩ベンジャロン焼きの登場

チャクリー王朝・ラーマ2世の時代

(1809年 -1824年)

 

ラーマ2世の時代に、ベンジャロン焼きとして代表的な「ラーイ・ナム・トーン」(ラーイ=文様、ナム=水、トーン=金)と呼ばれる金の縁取りを施した豪華絢爛なスタイルが確立しました。

彼の治世下、ベンジャロン焼きの顧客は大臣、役人、州知事、裕福な商人にまで拡大しており、彼らの高い地位を示す商品として不動の人気を得ています。

 

ある文献には、ラーマ二世をもてなすために、シャムの高級役人が彼の私用コレクションからベンジャロン焼きの鉢でカレーを用意。王がその美しさを称える詞を即興で詠んだともなんてことも残っていたり。

 

 

ベンジャロン焼きの名前の由来

 

「ベンジャロン」という呼称は、古代サンスクリット語の5を表す「ベンジャ」と、色を表す「ロン」から来ています。ただし、実際に使用される色は5色とは限りませんので、5つの色というよりはカラフルな「多色塗」というニュアンスに近いです。

 

「5大元素 仏教」の画像検索結果

 

古代サンスクリット語で多色を5色と呼称するのは、5が仏教で重要な立ち位置にあるからではないかとの説もあります。5は木、火、土、金属、水の5つの要素を意味し、金属を除くこれらすべての要素は陶器を作るために使われていますね。(土と混ざった水は粘土を作り、木材は発火して粘土を固める。)

ベンジャロン焼きには縁起物としての意味も込められていたのかもしれません。

 

 

ベンジャロン焼きの製造

 

製造工程

1.使用する磁器を用意する

白く美しい磁器を焼き上げるために使用される薬品は大変高価であったため、タイ国内で生産することが難しく、ベンジャロン焼きに使用される磁器は中国から輸入するのが一般的でした。

薬品を塗布し1300℃近くの高温で本焼きされた白い磁器がベンジャロン焼きのベースとなります。

 

 

2.仕様書通りにデザインを書き込む

輸入された磁器に仕様書に従って色、モチーフ、およびパターンを顔料やエナメルで塗布していきます。この際に使用される顔料の多くも、中国で生産されたもの又は同じ製法で作られた国産のモノを使用するのが主流でした。

 

何もない真っ白な磁器に文様の線を描く作業は難易度が高く、熟練の職人が担当することがほとんどです。

その後の色付け作業は、経験が浅い修行中の職人さんのお仕事。作業は塗り絵に近いので観光客でも色付け体験が出来る工房がタイにはたくさんありますよね。

 

 

3.顔料を磁器に焼きつけ

絵付けが完成した磁器を次に800℃前後の低温の窯で焼き付けます。その後、金の装飾を施し先ほどよりも更に低い温度で焼き上げるとラーイ・ナム・トーン(金ピカ豪華)スタイルの完成です。

 

金液で文様を縁取るように細い線を描いていくこの作業も、仕上がりには熟練の腕がモノを言いいます。

 

 

よく使われるモチーフ

ベンジャロンの文様は、基本的に全てタイの伝統的なデザインを使用しています。

 

左右対称のタイの伝統的な文様には森に生息する神話の動物や神々、悪魔、鳥、そして動物が多く登場します。こういったデザインのアイディアは仏教、ラマキアン(タイの国民的叙事詩)、民話や伝説から取り入れられていることが多いです。

 

 

 

ベンジャロン焼きの品質の違い

 

日本の千鳥格子のように、タイにも伝統の文様があり、複数のお店で同じデザインが販売されていることもあります。しかし店や職人の技術力、品質に対する考え方によりその仕上がりには差が。

 

文様が左右対称でなかったり、色むらがあったり、陶器が妙に軽かったりするものは安価になります。

デパートなど高級路線のお店に行くほど、その文様は左右対称かつ細かくなり、色むらはなく、陶器も厚みがあるずっしりしたものが多くなります。また、ティーカップセットや大判の皿なども販売されていることが多いです。

 

おすすめは工房に行って柄をオーダーメイドすること。割と安価に手書きで良品質のベンジャロン焼きが手に入っちゃいます。世界に一つだけのデザインというのも特別感があって素敵ですよね♪

 

 

最後に

 

いかがでしたか?

タイの伝統文様と金で縁取りされたベンジャロン焼き、その歴史と製造過程などをご紹介させていただきました。

お土産として渡されるときに、「王室専用の陶磁器として誕生した」なんて付け加えてみたら会話も盛り上がるかもしれないですね。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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タイ語で言ってみよう!

~ベンジャロン焼き編~

ベンジャロン焼き
เบญจรงค์ 
ベーンジャロン
柄、デザイン ลวดลาย ルアット ラーイ
王室 ราชสำนัก ラーチャサムナック
陶磁器 กระเบื้อง グラブアン
 中国 จีน ジーン

 

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