タイでは下痢止めに炭を飲む!?意外と知らない炭について
皆さんは炭と聞くと何をイメージされますか?
タイでは炭をなんと下痢止めに飲むそうです。
今回は私たちの生活に意外と身近な炭について解説いたします。
鼻水が出ます。
ナム ムーク ライ(クラップ/カ)
nám mûuk lǎy(khráp/khâ)
น้ำมูกไหล(ครับ/ค่ะ)
ライ=流れる
熱とめまいがあり、下痢も出ます。
ミーカイ ウィアン フア レ トーン シア(クラップ/カ)
mii khây wian hǔa lɛ́thɔ́ɔŋ sǐa(khráp/khâ)
มีไข้เวียนหัวและท้องเสีย(ครับ/ค่ะ)
レ=~と、そして
体調不良の際に使える”会話形式と単語”のタイ語音声と記事はコチラ
1.実は下痢止めに炭がよく使われている
タイのような暑い国では食中毒がよく起こります。食中毒で下痢になった時にタイでは炭を飲むそうです。
炭の吸着力を利用して体内の毒素を吸着して、体外に出します。
日本人感覚の私は最初聞いた時に「炭を食べても大丈夫なの」と心配になりましたが、炭は腸壁を通過できないため吸収されず無害だそうです。
実は皆さんも一度は炭を服用したことがあるかもしれません。
日本で有名な下痢止めである正露丸にも炭が使われています。表面の黒くて苦いコーティングの正体は炭なんです。
知らないだけで意外と私たちの身近に炭がありますね!
ところで焦げと炭の違いを知っていますか?
焦げは食品有機物が脱水反応で変質したもので炭は有機物が燃焼し完全に炭化したものです。
焦げた食べ物を食べるとガンになるなどと言われていますが、焦げと炭は別物なので安心してください。
タイでポピュラーな炭の下痢止めはCA-R-BON(カーボン)という薬です。
薬局やコンビニなど割とどこででも購入することが出来ます。
カプセルの中に炭が詰まっていて食あたりの時に3〜4錠飲めば毒素やバクテリアを吸着して体外に排出してくれます。
タイで食中毒で下痢になった時はぜひ服用してみてください。
2.知っているようで知らない炭とは
突然ですが炭とはなんですか?と聞かれた時に完全に説明できますか?炭と灰の違いはわかりますか?
炭は有機物を蒸し焼き(炎を立てずギリギリ燃える量の酸素だけ供給して燃やす)して酸素、水素、硫黄、窒素、リンなどの有機物を揮発させて炭素だけ残したものです。一方灰は大量の酸素で有機物を炎を立てて燃やして炭素を含む全てを燃やし尽くしたカスです。炭は炭素が残っているので火がつきますが灰は炭素がないため火がつきません。
炭は炭素以外の有機物が少なく軽いため持ち運びしやすく、また炭素以外の不純物が少なくよく燃えるため、人類は30万年前から炭を利用してきたそうです。
3.炭の効果とは
炭は軽くて燃えやすい以外にも様々な効果があります。
空気や水や土壌の清浄効果
炭は非常に多孔質です。数ミクロンから数百ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ)の穴がたくさん空いており様々な物質を吸着します。炭1gで約300平方メ-トルの表面積があり、この表面積の大きさが強力な吸着力の秘訣になってます。
空間に浮遊している物質を吸着して消臭、除湿をしたり、水中の塩素や重金属など不純物を吸着してくれます。上述の炭の下痢止めの原理もこの性質に由来します。
また水中や土中では炭の穴の中はバクテリアの住処となり、吸着した物質を分解してくれます。
さらに炭はアルカリ性であるため土壌をカビや有害な細菌が生息しにくい環境に整えてくれます。
炭にはミネラル分が豊富
炭には天然ミネラルが豊富です。カルシウム、カリウムなど鉱物性ミネラルから鉄、マンガンなどの微量元素も含みます。
炭化することによって木に含まれていたミネラル分が濃縮され、水に溶けやすくなっています。ミネラルが豊富な性質と吸着浄化効果を持つことからよく浄水器に利用されます。
4.炭の種類とは
炭には大きく分けると白炭と黒炭があります。
白炭
ナラやカシなどの硬い木を1000度以上の高温で炭化させ、消粉(けしこ)と呼ばれる水分を含んだ灰で消化して作ります。
表面に白い消粉が付着しているため白炭と呼ばれます。表面が硬く多くの炭素を含み不純物が少ないため火付は悪いですが火持ちが非常に良いです。
姥目樫(うばめがし)の木から白炭の製法で作られた炭は備長炭と呼ばれます。
アルカリ性で洗浄効果にも優れますが高価です。
黒炭
ナラやクヌギなど、柔らかい広葉樹を、白炭より低温の400~700度で炭化させて炭を釜から出さず、釜を密閉して消火し、冷まして作ります。
消粉を使わないため色が黒いです。表面が柔らかく、火付きが良く、爆跳せず、立ち消えしにくいです。
茶道でお湯を沸かす燃料としても使われます。酸性で白炭と比べると安価です。
その他の炭
黒炭や白炭の他にも竹から作った竹炭やおが屑から作ったオガ炭など様々な種類の炭があります。
5.タイで炭を作っている日本人のご紹介
炭は表面積が吸着力の秘訣と解説いたしましたが、タイで表面積が非常に大きい炭を作っている日系の会社があります。
Yamasen Asia Thailand Co.,LTDさんのYAMASEN炭は表面積が大きいが従来の製法では炭を作るのが難しいと言われたヤシの皮を特殊な日本の技術で炭にしたものです。表面積が非常に大きいため従来の炭より空間洗浄力が優れています。
土壌改良や家畜の餌に混ぜて肉質改善、豚舎の消臭や水の浄化など農業を中心に様々な場面で利用できるそうです。また強力な消臭力から家庭用にもタバコやペットの臭い取りとして使えるそうです。
お問い合わせ
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E-mail: biochar_thailand@yahoo.co.jp
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