タイ・プーケット・サンドボックスの実態とさらなる規制緩和について【体験者に聞く】
サワディーカー!LABタイ語学校です。
タイで一番大きくて人気の島、プーケット。現在、「プーケット・サンドボックス」という名のもと、 新型コロナワクチン接種済みの外国人観光客を受け入れています。さまざまな噂はあるもののその実態について、体験者に話を聞き、紹介したいと思います。
〈目次〉
【タイへ渡航する際に必要な書類】【プーケット+7泊できる地域】
2-1.香港からのプーケット直行便がキャンセル。すべての書類をやり直し
2-2.プーケットでの諸費用の詳細と14日間の様子
2-3.フライトがない!? プーケットからチェンマイまで車で20時間移動!
バンコク在住3年A子の投稿
1.プーケット・サンドボックスとは
「プーケット・サンドボックス」とは、プーケット内にあるSHA(健康安全基準)に認定を受けた、ASQホテル(タイ政府指定の検疫パッケージ付きホテル)に14泊15日間滞在するというもの。特別措置として、新型コロナワクチン接種済みの外国人観光客(滞在、ビジネスも有効)には隔離措置が免除され、プーケット県内を自由に行動できます。これは、2021年7月1日からタイ政府によって試験的に開始された観光再開計画のトップをきったものです。
なぜ、プーケットが最初に選ばれたかというと、タイで一番大きな島、だからです。つまり外国人がタイにやって来ても、一定期間、たとえ自由行動が可能だとしても、島内で留まることで、拡大がないであろう判断のもと始められました。ただし、タイ入国に際しては、他地域での隔離と同様、多くの書類が必要となります。
【タイへ渡航する際に必要な書類】
- 新型コロナワクチン接種完了を証明する書式
- 航空券の手配
- 入国許可証(COE)の申請・取得
- SHA認定を受けたASQホテルの宿泊予約
- 海外旅行保険への加入
- 出発72時間前までのコロナ陰性証明
※期限などを含み、タイへの入国条件は随時更新されます。詳しくは在タイ日本国大使館、または、外務省のサイトをご覧のうえ、ご確認ください。
また、「プーケット・サンドボックス7+7エクステンション」という新しい取り組みも開始されました。プーケット県内での宿泊日数7泊に加えて、別の指定観光地域へ移動して7泊することが可能になりました。
【プーケット+7泊できる地域】
○クラビー県
・ピピ島
・ンガイ島
・ライレイ・ビーチ
○スラータニー県
・サムイ島
・パンガン島
・タオ島
○パンガー県
・カオラック
・ヤオヤイ島
・ヤオノイ島
ただし、もともとタイに暮らしていてタイヘ戻ってきた人でこれを利用する人は少ないと聞きました。つまり、14泊決められたホテルで宿泊することは同じで、バンコクなどのホテルで一歩も出ずにステイするのか、それともプーケットや他の観光地で自由行動ができるのか、のいずれかを選べるにすぎないのです。完全に観光目的で渡タイする人にとっては、この「プーケット・サンドボックス7+7エクステンション」は、いいのかもしれません。いずれも素敵な観光地なので。
ちなみに、「プーケット・サンドボックス」の「サンドボックス」とは、砂場という意味の英語。IT用語ではコンピューター上の安全な仮想環境として、外部からのアクセスが厳しく制限された領域のことを指します。「プーケット・サンドボックス」は他府県とは異なる守られた環境に置いて観光再開計画を実施しているため、このネーミングが付けられました。
2.香港人Mが、香港からタイへ戻ってくる
チェンマイで暮らす香港人の友人Mが、4月末に香港へ一時帰国。8月10日、香港からのダイレクト便で「プーケット・サンドボックス」を利用してタイへ戻ってきました。
2-1.香港からのプーケット直行便がキャンセル。すべての書類をやり直し
当初は8月1日から香港ープーケット直行便が復活ということで、Mはそのフライトを予約していたのですが、その1週間前にキャセパシフィック側からキャンセル(規定の満席にならなかったかららしい)。代替便として2経由ほどして24時間くらいかかる便をすすめられたらしく、とても憤慨していました(ダイレクト便は香港ープーケットは約4時間)。そして、10日に直行便が開始するということで、無事、予約完了。と、簡単ではなく、ホテルの予約の取り直し、大使館に再度、便の変更を申請してCOEの取り直しなどを経て、8月10日プーケットに到着しました。
2-2.プーケットでの諸費用の詳細と14日間の様子
無事にプーケットに着いた香港人の友人M。気になる諸費用を尋ねてみました。
【プーケットでかかった費用の詳細】
- プーケット空港からホテルまでの車代ー 8,900バーツ
- 到着後のcovidテスト費用(空港で1回、ホテルで2回、計3回分)ー 8,000バーツ
- 14泊15日のホテル代金(朝食込み、プール・バルコニー付きホテル)ー 18,000バーツ
※これは2021年8月10日~24日の価格です。
ちなみに香港からプーケット直行便(キャセパシフィック)の代金は、15,200バーツ(通常では考えられないほど高額らしい)。すべてあわせると50,100バーツほどかかる計算になります。友人Mは、もちろん香港でワクチン接種済み。タイ入国72時間前にCOVID検査を受けていることを考えれば、ほぼ日本から日本人がタイへ入国する場合の費用や手間とほぼ同様だと思われます。。
14泊もの間、プーケットのホテルでひとりきりで過ごしたわけですが、彼女はコミュニケーション能力が高いため、カロンビーチの近くだったためビーチでサンセットを楽しんだり、安くておいしいウーバーイーツを頼んだり、スタッフに車を出してもらっておいいしいランチスポットに連れて行ってもらったり「どうせだったら、プーケットを楽しんじゃえ!」の精神でプーケットホテル生活をそれなりに楽しんだようです。
2-3.フライトがない!? プーケットからチェンマイまで車で20時間移動!
実はこの友人Mがプーケットに滞在する際、クラビ在住のアタシは2週間彼女の予約したホテルに一緒に泊まる予定でツインルームを確保したのですが、結果からいうとそれは叶いませんでした。というのも、プーケットはサンドボックス計画を実施するため、タイ国内でも厳しい措置をとっており、他州であるクラビ在住のアタシは、COVIDテスト陰性証明とワクチン接種の両方必要で、アタシはワクチン未接種のため、プーケットまで彼女に会いに行くことはできませんでした。
結局、彼女は隔離期間が明ける8月14日。予約していたプーケットからチェンマイへの直行便がキャンセルされてしまいます。数日後に飛ぶかどうかわからない直行便を待つことなく、チャーターしたクルマでチェンマイへと戻っていきました。ちなみに所要時間は20時間!!!!。料金は一台18,000バーツ。たまたま同じホテルに居合わせた香港から来た青年とクルマをシェアしたため、ひとりにつき9,000バーツだったとか。これは高い!と思いきや、プーケットーチェンマイ直行便はクルマと同じひとり9,000バーツと激高だったそうで(通常は1,000バーツ前後)、一刻早くチェンマイへと戻りたいと考えていた彼女は、隔離終了後、チェンマイまで20時間かけてクルマで帰る選択をしたのでした。
3.バンコク、チェンマイも規制緩和へと向かうのか!?
タイ保健省は、9月初旬、バンコク、パタヤ、ホアヒン、チェンマイを10月1日から、新型コロナワクチン接種外国人に解放すると発表しました。が、ここはタイ。事情が随時変わります。しかしながらチェンマイの開放「チャーミング・チェンマイ」の実施は濃厚であるとつい先日、発表されました。 しかしながら、観光客向けのツアーのみで、行動が制限されるため、かなりの不評をかっているようです。
また、王族の保養地があるホアヒンでの「ホアヒン・リチャージ」、ルーイ、ノンカーイ、ラヨーン、クッド島、チャン島での「Bubble and Seal」など、ワクチン接種済みの外国人への比較的自由な計画はあるものの、実施の真偽は、まだわかりません。我々在住者を含めて、イ国内を自由に行き来してタ楽しむことができるのはいつのことなのでしょうか。待ち遠しくて仕方ありません。
タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿でした。