タイに続々登場!ホームセンター「MR.D.I.Y」。オーナーがすごい人だと判明!
サワディーカー!LABタイ語学校です。
「MR.D.I.Y」は、2005年7月にマレーシア・クアラルンプールに初の支店を開設。タイ、シンガポール、インドネシアをはじめ、トルコやスペインにも店舗を展開しています。
1.「MR.D.I.Y」って一体ナニ?USBに関するエピソード
タイで初めての店舗を展開したのは、2016年。バンコクのショッピングモール「シーコンバンケー」でした。2018年には100店鋪、2021年には300店鋪、とこの7年でたい国内の店舗数はぐんぐんと増え、2022年には500店舗を越え。驚異的な成長率です。ほとんどがロータスやビックCなどのショッピングモール内にありますが、アタシの暮らすクラビには平屋の「MR.D.I.Y」があります。これはタイ国内でも珍しいようです。人も多くなくとても快適にショッピングができました。
最初に「MR.D.I.Y」に行ったのは、USBのコネクタを買うためでした。この時とても驚いたエピソードがあるのでひとつ。マウスを使わないとMACを使用しづらいので、この(名称はわからない)コネクタが必要でした。以前も使っていたのですが、旅行に行った際に破損してしまい、その破損したものを持って「MR.D.I.Y」に。ここで神店員さんに出会いました。
というのも、まだうまくタイ語が話せない私は、簡単な英語で「このコネクタをください」というと、とても流暢な英語で答えて、一緒に探してくれました。それだけではなく、アタシの持っていたマウスとコネクトしてみましょう、と。結局、マウス側も破損していたので、マウスも買いましょう、ということになったのですが、色々と他の店員さんに聞いたりして、とても丁寧な対応をしてくれました。タイでは珍しい、というかクラビでは英語を話す、とても丁寧な接客は珍しく、感動すら覚えました。
で、今日改めて、「MR.D.I.Y」に調査に行くと、キッチングッズなどを買っただけで、特に質問することもなかったのですが、レジの時、タイ語でブワーッと話されてきょとんとするアタシに「メンバー?」という、簡単な英語で会話してくれ「マイチャイ」と答えると、ニコッと笑ってくれました。やはり、丁寧な対応にとても感心しました。
2.オーナーはなぜ、フォーブスにも掲載されルほどの億万長者になったのか
このスピリットを知りたいと、オーナーを調べたところ、凄いことが判明!なんと、マレーシアで最も裕福な50人として「Fobes」に掲載されているのです。Tan Yu Yeh(タンユーイエ)と Yu Wei(ユーウエイ)という兄弟ふたりで経営し、兄のタンユーイエ氏の総資産額は27億ドル!それも、2020年、マレーシアの証券取引所に上場して得たということですから、たった2年ほど前のこと。世界経済がコロナで低迷を続けている最中に億万長者になったのだから、話題騒然だったとか。
兄のタンユーイエ氏は、マラヤ大学で物理学の学位を取得して卒業。ちなみにマラヤ大学というのは、マレーシアで最初に作られた大学で、設立は1905年。日本の皇室とも縁が深く、1970年前天皇・皇后夫妻が同大学へ赴き、植樹しています。その後、マレーシアのKomag USA でエンジニアとして働いた後、Inter-Pacific Securitiesで研究員に。そして、ホームセンター「MR.D.I.Y」を立ち上げたのが2005年。本当にここ最近台頭してきたベンチャーだといえます。ちなみに創立以来、弟のユーウエイ氏は、一貫して商品の調達と物流の監督を行なっていたとのこと。
なぜ、億万長者になるまでに、「MR.D.I.Y」というベンチャーが成功したのか。2005年にオープン後、彼はショッピングモールでの出店にこだわり拡大。電気製品、カー アクセサリー、コンピューターおよびモバイル アクセサリー、文具およびおもちゃを含む10のカテゴリーを作り、ワンストップのホームセンターの業態をとったことが、勝算だったようです。
「MR.D.I.Y」は World Branding Awards の住宅改善部門で小売業者として受賞。さらに、2020 年には Frost & Sullivan Best Practices Awards で Retail Market Leadership Award を受賞するなど、賞を受賞することで自信をつけたことも、成功へのカギだったといえます。その証拠に同年「MR.D.I.Y」を上場した訳ですから。結果、億万長者になった訳ですから。
もう一つは、手軽な価格で販売したことにあります。ちなみに日本のイメージでいくと、東急ハンズ。東急ハンズは定価ですが「MR.D.I.Y」は、定価よりも低めに設定されています。LOFTほどお洒落ではありませんが、機能重視で少し洒落た工具やカーアクセサリーやPCアクセサリーなどが結構、種類豊富に揃っています。これをひとつの拠点にまとめ、流通に工夫を凝らし、さらにeコーマース、つまりネット販売を充実させたことも重要だったようです。
「小売業界を変えた」という評判もありますが、その具体的にどのような戦略が功を奏したのか、という記述は見つかりませんでした。彼らのウィキペディアもないほどです。それほど早いスピードで億万長者への階段を駆け上がっていったのか。秘密主義なのか。謎めかせているのか。とはいうものの、受賞したりフォーブスに掲載されているのですから、目立ちがり屋なのだとは思いますが、とてつもない努力と研究、実直にビジネスに向き合ってきた姿勢の結果なのでしょう。
3.扇風機の羽根だけ!?タイならではの品揃え
難しい話はさておき、タイの東急ハンズ、こと「MR.D.I.Y」は見てるだけで楽しいし、発見がいろいろありました。まず、食品があったことには驚きました。しかも、友達にもらってとてもおいしかったむき栗まで。ロータスやビッグCよりも中国語が書かれた食品ラインナップが多かったように感じます。これは、オーナーがマレーシアの中国系だからなのかしら。マレーシアは中華系の食べ物が美味しく、日本人の舌に合うものが多いと感じるアタシが欲しかったものが見つかりました。もちろん、便利グッズ的なものの中には日本語が表記されたものも。商品ラインナップの豊富さ、研究熱心さは、こんなところでもうかがえました。
タイならではのものといえば、扇風機の羽根でしょうか。電気代が安くはないタイでは、できるだけエアコンに頼らず、扇風機を回します。そして一人一台のマイ扇風機が存在します。電気製品を買い替えず、修理して使い続けるタイ人にとっては、扇風機も同じ。友人に「扇風機の羽根が壊れたら、それだけ売っているから、変えればいいよ」と言われて「どこに売っているのだろう」と思っていましたが、こんなところで見つけました。
もうひとつタイらしいものといえば、蚊撃退ラケットです。これは電気が走っていて、蚊がいるとバシバシとこのラケットでやっつけるものです。アタシはこの時のバシバシっという電気音が好きではないので使いませんが、しょっちゅう故障するため、しょっちゅうこれを買う友人がいます。ちなみに、100バーツ~200バーツ前後。1000円以下で買えます。
4.「MR.D.I.Y」のよさとは
2020年に上場し、億万長者となった、オーナー兄弟。忘れてはいけないのが、これはコロナ真っ最中だったことです。マレーシアだけの話ですが、「MR.D.I.Y」は、他の多くの小売店が営業を許可されなかったパンデミックの際にも、マレーシア政府の厳しい審査をクリアし、店舗が営業を続けていたことが、躍進に繋がりました。「MR.D.I.Y」の品揃えは必需品だったため、この厳しい時代を乗り切ったのでしょう。ちなみに、クラビに続々と誕生したのも、2021年頃だったと記憶しています。
タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿でした。