タイ国立大学研究機関で開発された新種の紫色の米「ライスベリー」

サワディーカー!LABタイ語学校です。

タイ米の最高級品種であるジャスミンライスと黒ジャスミンライスをかけ合わせて作られた新しい品種米「ライスベリー」。 2003年にタイ国立大学カセサート大学研究機関で開発され、今ではお洒落なカフェなどでも見かけるようになりました。

タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿

 

1.タイ産ライスベリーの誕生は2003年

タイで急激に増えてきた肥満や糖尿病を予防するための健康のために、タイ人に関心の高い美容に効果的だ、ということで、開発されたライスベリー。ジャスミンライスの味と香りはそのままに、黒ジャスミンライスの高い栄養価をプラスされた味わいです。アタシが「ライスベリー」を初めて知ったのは、タイで生活を始めた3年ほど前。栄養価が高く、美容効果もある、と友人からプレゼントされたことがきっかけでした。初めて見た時は紫色でびっくりしましたが、とても香りがよく、食べやすかったので、いつも、というわけではありませんが、常備してたまに料理に使っています。

別の友人宅で、お手製のガパオライスをごちそうになった時も、ライスベリーでした。友人宅には炊飯器がなく、鍋で炊いたものでしたが、まだカタいと何度も水を何度も足しながら、結果的にとてもおいしいライスベリーをいただきました。今では地元のスーパーから大手高級スーパーまで、ありとあらゆるところで売られています。

タイではお米に虫がつきやすいので、真空パックで売られていることが多いのですが、ライスベリーも例外ではなく、ほとんどが1kgのパック(100バーツ前後)の真空パックで売られています。これは想像なのですが、毎日、ライスベリーを食べるのではない、普通の米にまぜて炊く場合が多い、などの理由で小梱包のものがほとんど、なのだと思います。

 

 

2.ライスベリーのすごさ


ライスベリーの大きな特長としては、きれいな紫色だということ。色から察しがつくと思いますが、ポリフェノールが多く含まれています。ポリフェノールは、自然界には8000種類以上存在するといわれており、赤ワインや緑茶、コーヒーなどに多く含まれます。悪玉コレステロール(コレステロールのバランスが崩れていること)を酸化(良化)する作用があるため、血管や肌、視力や細胞を生き生きと改善させる役割があるため、健康と美容にいいといわれています。ちなみに、花の色が鮮やかで美しいのも、ポリフェノールの作用だとか。


健康面で一番効果的だといわれているのが、心筋梗塞などの疾病を引き起こす動脈硬化。これは、血管の壁の中にコレステロールが溜まってしまったりすることで、血管の内側が狭くなった状態のことです。簡単に言うと、血管が老いるということです。血管は、私たちの体の隅々まで栄養や酸素を運ぶ働きをしていますから、血管が老いればそのまま体の老化につながります。

老化予防、アンチエイジングに効果がある、というのはこのことなのですね。美容に効果があるというのは、コーヒーの摂取に関する研究で明らかになっています。コーヒーを1日3杯飲む習慣のある人は、そうでない人と比べてシミが少ないというデータあります。これは、ポリフェノールの持つ抗酸化作用が紫外線によって発生する活性酸素を除去しているからだと考えられています。しかし、効果は3時間が限度なのだとか。そして、過信や過剰摂取は危険なので、適度においしくいただきたいものです。

ライスベリーには、このほかに、ベータカロチン、ガンマオレザノール、各種ビタミン特にビタミンCとE、葉酸、亜鉛、鉄分、食物繊維、オメガ3、ルティンなどが多く含まれているようです。ということで、ライスベリーは超優良健康食スーパーフードとして世界中で注目されています。ベータカロチンは高い抗酸化作用があり、活性酸素を除去して血液をサラサラにしてくれるため、ともにアンチエイジングにも効果があります。米に含まれるガンマオリザノール、貧血にいい亜鉛や鉄分、便秘を解消してくれる植物繊維、 青魚に含まれるオメガ3にはコレステロールや中性脂肪を下げてくれる働きがあります。 まさにライスベリーは栄養の宝庫、最強のスーパーフードといえるのではないでしょうか。

 

 

3.ライスベリーのおいしい炊き方、食べ方

ライスベリーを炊飯する時、水加減が大切です。ライスベリーに対し、2倍の水が目安です。通常のお米同様、30分〜1時間程度給水させます。基本的に栄養分が流れてしまうので洗わなくてもいいのですが、気になる場合はさっと水洗いするようにしましょう。

また、ライスベリーと普通の白いジャスミンライス、または、ライスベリーと日本米(こちらだけ洗います)半々にして炊くこともできます。この場合の水加減も同じです。食感としては、タイ米よりももっちりとしており、日本米と半々にするとより一層もっちり感がアップします。

個人的に食べ方のおすすめは、ジョーク、雑炊です。炊かずに生米のままコトコトと1時間くらい炊きます。理由は、そのほうが栄養素がすべて入るような気がするから。まず水が沸騰したら、鶏と白菜、生姜、時にはえのきなど、お好みの肉や野菜を入れます。クツクツと煮立ってきたら、ライスベリーの生米を投入。アタシの場合、米をさっと水洗いします。鍋にライスベリーを入れたとたん、みるみるうちに紫色になりますが、これが栄養たっぷり、おいしそう、まるで、赤飯の雑炊みたい!とテンションが上がります。

沸騰するまでは、強火ですがその後弱火にして、約1時間ほど。底がコゲてしまうことがあるので、時々まぜます。適宜なタイミングで、適宜な量のだしの素、醤油、お好みでお砂糖を加えます。溶き卵を最後に加え、仕上げにネギや海苔をふりかければ、完成です。もっちり感があるので、お寿司やカオパット(チャーハン)、先にご紹介したガパオなど普通のタイ米の代わりに、という調理法でもいいと思います。

 

 

4.ライスベリーの感想

何度も言うようですが、一見、その色、紫に驚いてしまいますが、思い返してみると、紫イモ(こちらもポリフェノール豊富)を初めて食べた時の印象と似ています。サツマイモは黄色、という先入観があったのですが、紫イモを食べた時、なんて、おいしいんだろう、とすっかり虜になってしまいました。紫のお米なんてー!と抵抗のあるヒトもいらっしゃるでしょうが、ぜひとも、トライしていただきたいです。割高ですが、日本でもネットショッピングで手に入るようです。

 

タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿でした。

 

 

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