タイのリフォーム・内装・施工・設計時の必見チェックリスト!工事トラブルは当たり前?
サワディーカップ!LABタイ語学校です。
タイの内装工事は骨が折れます。内装費用、工期で揉める。悪徳業者に依頼してしまった。予想していた仕上げりにならなかった。デザインがダサい。オーナー・近隣と揉める。配線・空調ダクトで揉める。建築関係の資格がない。数年後の劣化が酷い。在タイ7年もいれば、沢山の内装トラブルの実話を聞く、自身で体験してしまいます。今回は工事トラブルを少しでも減らす為、私なりにチェックリストを段階別に分けて作成してみました。タイ・バンコクで内装を検討されている方の少しでもお役に立てれば幸いです。
*本記事で記載しているトラブル事例は、タウンハウスでの工事事例です。オフィスビルにはオフィスビルの,倉庫には倉庫の トラブル事例もあると思います。それぞれの物件毎に気をつけるべきポイントはまた変わってくると思います。専門家のアドバイスを貰いながら、各物件毎に注意すべき点を調べてみてください。
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0.ビジネス毎の重要項目を理解しよう。店舗?オフィス?倉庫?
内装に関して、まず初めに自分のビジネスを理解して、どのような注意点があるか考察してみましょう。
・コスト(内装費用)がとにかく重要なのか(予算?低価格?)
・内装の仕上がりが重要で、安価な見た目にならないような工夫が必要だったりするのか?
・特別なシステムを導入するのか
・内装設計において何を重要視するのか
内装会社に相談すれば、多くのヒントが得られるかもしれないが、発注者側の見解は当然大事で、一度決めた設定を変える、内装を途中で変更したい。など途中で変更というのは、内装に関しては、非常に難しい。
発注者側がどのような完成イメージを持って、どのような設計意図があるのか、発注者側がまず定まっていなければ、当然後々トラブルに発展しやすい。
ビジネス毎に重要視すべき事を理解して、正しい基礎知識とモラルを持って内装に取り組まないと、どれだけ工事者・内装業者が優秀でもトラブルになってしまうだろう。日本なら職人がプライドを持って工事に取り組んでくれるイメージがありますが、タイ(海外)では、言われた事を60-70点の完成度で仕上げてくる事のほうが圧倒的に多いイメージです。
ましては、日本のような様々な資格やルール・制度で守られれていない海外では、誰かに丸投げにせず、責任ある立場の方が、しっかりと取り組む姿勢が大切である。良い内装会社と蜜に連携を取り、問題を少しでも発生させないように、もしくは発生する問題をできるだけ小さくなるよう事前に対策をしておく事が大切である。(*問題が発生しない事のほうが稀だと思うので、最初からある程度の心構えをしておく事も大切である)
↑こちらは壁を増設した際に、工事業者が出した図面に、壁の斜線がなかった。そのままだとオフィス家具が入る余裕がなかった為、斜線を追加要望。
1.物件選びで注意する事
物件の種別
物件の種別としては、商業施設・オフィスビル・タウンハウス・一軒家・土地などが挙げられるが、それぞれ特性が異なる。
単純に同じエリア・築年数で家賃比較すると高いものから、商業施設>オフィスビル>タウンハウス>一軒家>土地 となる可能性が高いだろう。
商業施設やオフィスビルの場合、基本的にはそれぞれの建物毎に(管理会社やオーナー)のルールがあり、その中での運用を強制される事が多い。
タウンハウス・一軒家・土地など、個人オーナーが相手の場合、良くも悪くも個人オーナーの考えで、全てが決まってしまう事が多いので、オーナーの人柄や、日々の人間関係の構築のほうが重要だったりする場合がある。
チェック項目
ビジネス毎にチェック項目は当然変わるし、重要事項・注意しないといけない点は変わるでしょう。
- 現場で使う家電製品の電気の容量は十分か
- 工事に近隣の許可が必要か
- 工事にオーナーの許可が必要か(許可される事業区分がある物件もある。飲食はダメ、来客がある事業はダメ、オフィス利用のみ可。など)
- 空調設備(セントラル方式・個別方式)はどうか。(セントラルの場合、使用時間が決まっていたり、時間外の使用はかなりの使用料金を取られる場合があります。)
- 空調の配管の通し方は問題ないか
- 退去後の原状回復はどの程度行う必要があるのか
- 退去通知は何か月前か(住まいの場合、1-2か月前通知だが、オフィス系は6か月前通知という物件も多い)
- 内装資材の搬入ルート、搬入経路サイズは問題ないか(大型の設備を導入したい場合、それがオフィスに入らないとなってしまっては元も子もありません)
2.内装業者・リフォーム業者選びで重要な事
業者選びに関して、まず重要なのか、信頼できる実績が過去あるか?特に施工実績が公開されている事。施工実績が事実かどうかの裏取りもしておいたほうが良いかもしれません(タイの日本人社会は狭いので人脈が重要)。ただ重要な事として、話ばかり聞いて、知識や時間泥棒とならないように、情報を収集していく事も大事である。当然だが、家電は壊れるし、設備は劣化します。多くの実績がある業者程、アフターフォローに取られる時間も多いと思います。ただ情報を聞くばかりで、相手の時間ばかりを奪っていては、それもその業者にとってはコストがかかっているわけで、仮に受注したとしても、事前相談だけで、内装費の利益を飛ばしてしまう可能性だって大いにあると思います。可能な限り、ネットから調べる。現地の知人・友人から聞くなどして、直接聞く時間を最小化しつつ、正しい情報を掴み、適切な業者に頼む事が好ましいと思います。
内装業者も様々あり、自身のビジネスを考えて頂き、
- 店舗なら店舗の得意な業者か
- オフィスならオフィスの得意な業者か
- 特殊な電気製品を使う場合、電気配線工事の得意な業者か
- 窓口担当してくれる担当者にしっかりとした実績があるのか
- 窓口担当が実際の現場のエンジニアとどのように関わって内装を仕上げていくのか
- 支払い方法はどのようになるのか?(一括支払いをして、タイ人内装者にお金を持ち逃げされたという実話を何度か聞いた事があります)
- 工期はどれくらいか(提示してくる工期は適切か)
など、ビジネスとのマッチング率の高そうな業者を選ぶ事が重要である。
(参考URL:記事末に内装会社まとめ13社の記事を貼り付け済)
3.内装費用を見込む?内装前にしておくべき事
タイのホームセンター(ワサドゥやHomeProなど)に行かれた事がある方は、その品揃えの多さに驚くと思います。(参考URL:記事末にホームセンター8つまとめ記事を貼り付け済)
特にバンコクは常に多くのビルやコンドミニアム・商業施設など、不動産の開発が盛んです。
ホームセンターに行けば、多種多様な製品を確認する事ができます。
内装資材・建材は、価格が高いもの安いもの、質が高いもの安いもの、多機能な製品・シンプルな機能の製品など
電化製品の場合、使用電力も見ておく事は重要です。(タイは電気代が高い為)
内装業者も過去の経験から最適だろうと思われるものを選んではくれると思いますが、
発注者側でもどのような建材がどれくらいの価格帯であるのか、把握しておく必要もあると思います。
そして、いかに建材選びが難しく時間が掛かってしまうかも理解しておいたほうが良いかもしれません。
そういった資材選びの時間も、内装費用に含まれてしまうと思いますので、
事前に調べて、目星をつけて、大まかにでも希望商品・建材の範囲指定を内装業者に出しておく事は非常に重要です。
排水系のトラブル実例①
排水管・排気管(ダクト)系もトラブルが多い項目です。
↑こちらのトラブルは、数か所で排水すると、ある排水口から水が逆流してきたトラブル。
原因は2つあり、①排水管内にコンクリートが詰まっていた。②排水管自体が細く、複数の箇所から排水すると、排水容量が足りず逆流してしまう。
↓排水管を掘り出して、中の詰まっていたコンクリートを取り除きました。その時の写真
排水系のトラブル実例②(天井裏)
古い物件だった為、天井裏の排水管、借りていたスペースの1つ上の階の排水管に穴が開いていたトラブル。
一箇所ではなく、複数箇所に穴があったみたいで、一回では改善されず、何度か追加修繕となりました。
天井裏は、古い物件を借りた場合、潜在トラブルが多く潜んでいるかもしれません。
エアコン室外機の設置個所、また配管の通すルート
エアコンの室外機を置くスペースが十分ではなかった事もありました。
またエアコンの排気管、排水管の通すルートもしっかり確認しておく必要があります。
4.実際のトラブル事例と内装工事の際に見ておくポイント
前述で挙げた事と重複する事もあるかもしれないですが、
私も3度の自社オフィスの内装に携わり、様々な注意点がありました。
私が遭遇したトラブル事例
・内装業務の中にどうしてもドリルを使うような騒音が発生する事があります。騒音が発生する場合、何時から何時までの間であれば、可能なのか?事前に物件管理事務所やオーナー・近隣の方に尋ねておいたほうが良いでしょう。この時はトラブルが解消できず、ドリルを使わない工法に変更をしました。(*壁内に配管を通したかったのだが、逆に壁前にコンクリートを固めて、そのコンクリートの中に配管を通した)
・電化製品を現場で使う場合、その物件の最大許容電力を把握して、施工後の現場で使用する電化製品の総使用電力が、最大許容電力を超えないようにする事が大切です。バンコクは最大許容電力が少ない物件が多く、事前に確認が非常に重要な項目です。
事前に消費電力計算をしていましたが、それでも足りず、温水器が使用電力に達さず、温水が出たり出なかったり、出ても温かったりしました。結局、後から電力増強工事を入れました。
・電気代についても、省電力系の製品を導入すると、製品が高いくても、1-3年後のコストパフォーマンスが省エネ製品のほうが良い場合も多い(エアコンは代表的な例)。省電力製品にすれば、最大許容電力も超えない可能性が増える為、省電力製品の導入は非常にお勧めで、重要である。元々古いエアコンを使っていたら、毎月15000thb程、エアコンを最新のものに変更したら、9000thb程に下がりました。エアコンを変えるまでかなりの無駄なコストを払い続けていました。
・エアコンの配管の通し方や室外機を置ける場所も確認しておく事をお勧めします。スペースが十分ではなかったり、私の場合、排気管が壁に中途半端に設置されて、かつ5台分の排気管をまとめて管にしていた為、2台のエアコンは連動した気温になってしまうという変わったトラブルも発生しました。何度か業者に来てもらったですが、修理費だけ払って、一向に直っていません。
・タイは価格相応の製品がほとんどです。年々劣化したり、頻繁に故障したりする場合も多いです。
・排水の傾斜不十分や、管の設置部分・接合部分の接着不十分によって、水漏れが発生していた事もあります。
・郊外の物件で白アリに遭遇。階段を作り直す事に、、、木の素材を使っている場合は要注意です。
↓Before
↓After(白アリに食べられないように木目調のタイルに変更)
内装工事の際に重要なポイント・見ておくべきポイント
< 重要なポイント心構え >
✓ 4-1 動作チェックは随時自分の目で行う。
✓ 4-2 常に疑いの目を持って、トラブル発生要因がないか、何度も考察しておく。
✓ 4-3 工事現場のスタッフと良い関係を築いておく。日本人担当者との連携はもちろん。特にタイ人スタッフが仕事がしやすいような環境作り、関係性構築は重要。
✓ 4-4 ほとんどの問題において、発注者側の責任となる事を理解しておく。工事人の責任は問えない事が多いので、事前に問題発生しないように、様々な検証を行っておく。
5.内装工事後が最も大切
工事を担当してくれるスタッフは工事現場から遠方に住んでいる事も多い。
あとから追加工事・修繕・改装など行うのは非常に手間がかかるし、0から作るのより、完成した内装を変更していくほうがお金や工期がかかる事が多い。
内装が終盤に差し掛かってきた時には、工事期間よりもさらに重点的に、全ての箇所をチェック・動作確認をしておく事が重要である。
購入した製品1つ取っても不具合がないと先入観を持ってはいけない。常に動かないかもしれない。誤作動がするかもしれない。と疑いの目を持って
念入りに確認作業を行う必要があります。
誰しもトラブルが発生してしまうとストレスを感じ、揉めやすくなります。
特に海外では様々な想定していないトラブル
”当たり前が当たり前に合わない” と思ってトラブルが発生して当たり前。
それでもトラブルが発生しないように、事前の防止策を行っておく事に最大限取り組んでおく事が重要です。
この記事が少しでも皆様のお役に立っていれば幸いです。