タイ国民が敬うシリキット王妃の功績とは?QSNCC・王妃公園の由来も紹介
サワディーカー!LABタイ語学校です。
本日は、シリキット王妃について詳しく紹介します。
【歴史関連の単語①】
ประวัติศาสตร์
プラワットティサート
(意味)歴史
กษัตริย์
カサット
(意味) 王様
พระราชินี
プララーチニー
(意味)王妃
👑 シリキット王妃とは?
プロフィール
本名:シリキット・キッティヤカーン(สิริกิติ์ กิติยากร)
生年月日:1932年8月12日・バンコク生まれ
ご主人はプーミポン・アドゥンヤデート国王(ラーマ9世)で、現国王・ラーマ10世(ワチラロンコーン国王)の母にあたります。
🌸 人物像と功績
🇹🇭 タイ国民にとって「母のような存在」
シリキット太后(Queen Sirikit)は、プミポン前国王(ラーマ9世)の王妃であり、現国王ラーマ10世の母として知られています。
長年にわたって国王を支え、国民の生活・文化・自然を守ってきた姿から、タイの人々にとっては「国の母(แม่ของแผ่นดิน / メー・コーン・ペンディン)」と呼ばれる存在です。
(シリキット王妃(右)と前国王・プミポン国王(左))
また、シリキット太后の誕生日である 8月12日 は、タイ全国で祝われる「母の日(วันแม่แห่งชาติ / ワン・メー・ヘン・チャート)」です。
この日は、母親への感謝を伝える特別な日として定められており、家庭では子どもが母親に花を贈り、学校や職場でも感謝のセレモニーが行われます。街中には太后を象徴する水色(ライトブルー)の旗や花飾りが掲げられ、国中が優しい雰囲気に包まれます。
また、ジャスミンの花が「母の愛の象徴」とされており、清らかで無償の愛を意味することから、母の日の贈り物として欠かせない存在になっています。
伝統衣装「チュッタイ(ชุดไทย)」を現代に復興
1960年代、シリキット王妃は外国を訪問する際に「タイを代表する王妃として、世界の舞台で着られるタイの正装が必要」と考えました。その思いから、デザイナーたちと協力して伝統衣装「チュッタイ(ชุดไทย)」を現代風に再構築しました。
素材やシルエットを工夫し、タイらしい優美さと上品さを兼ね備えた新しい民族衣装を生み出しました。
この活動がきっかけで、「チュッタイ」は王室行事や結婚式などで着られるタイの正装スタイルとして定着し、現在も国民に愛されています。
ファッションを通して文化を世界に発信した王妃の感性は、今も多くのデザイナーに影響を与えています。
🧵 地方女性のための職業支援・伝統織物の保護
王妃はまた、地方の貧困問題にも深く心を寄せていました。
農村の女性たちが自分たちの土地で生活を立て直せるよう、織物や手工芸を通じた職業支援プロジェクト「SUPPORT Foundation」を設立します。
この活動では、タイ各地の伝統織物技術の保存や、製品販売のサポートを行い、今もなお持続的に運営されています。
手作業で作られる布や工芸品は、国内外で高く評価されており、王妃の思いが形になった「地方女性の自立の象徴」とも言われています。
🌿 自然保護や文化保存への取り組み
さらに、王妃は自然環境の保全や野生動物の保護活動にも積極的でした。
森林再生プロジェクトや国立公園の支援、伝統芸術・舞踊の保護など、多方面でタイの豊かな自然と文化を次世代に残そうと尽力しました。
こうした全ての活動が認められ、国民からは敬意を込めて「国の母」と呼ばれるようになりました。
彼女の理念は、現在の王室や政府による社会貢献活動にも受け継がれています。
💙 豆知識
シリキット太后のシンボルカラーは、水色(ライトブルー)です。
これは、太后が金曜日生まれであることに由来します。タイでは曜日ごとに色が定められており、金曜日の色は青です。その中でも王妃を象徴する柔らかな色合いとして水色が選ばれています。
8月12日の母の日には、国中がこの色に包まれ、街の建物や学校、商業施設までもがライトブルーにライトアップされます。
この光景は、まさにタイ国民が王妃への感謝と尊敬を一斉に表す、特別な日と言えるでしょう。
QSNCCについて
QSNCC(Queen Sirikit National Convention Center / クイーンシリキット・ナショナル・コンベンション・センター)は、名前の通り 「シリキット王妃(Queen Sirikit)」の名を冠した国際会議場 です。つまり、QSNCCという名称そのものが「シリキット王妃への敬意を表している」ものなのです。
🇹🇭 QSNCCとは
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正式名称: Queen Sirikit National Convention Center(クイーンシリキット・ナショナル・コンベンション・センター)
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開業: 1991年
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タイ初の本格的な国際会議場として建設されました。
 
(🗺 https://maps.app.goo.gl/NDpfM1FRi6Hh8ndN8)
📌60 Ratchadaphisek Rd, Khlong Toei, Bangkok 10110
☎️022293000
👑 シリキット王妃との関係性
この施設は、シリキット王妃の生誕60周年(1992年)を記念して建設・命名 されました。
王妃の国際的な文化交流・芸術振興への功績をたたえ、タイ政府と民間が協力して設立したものです。
💐 象徴的な意味
QSNCCは単なる会議場ではなく、シリキット王妃が守ってきた「タイ文化と国際交流の架け橋」 という理念を体現する建物であるために、シリキット王妃の名前を建物名にしたと言われています。
内装やアートにも、このようにタイ伝統美と現代性の融合が意識されていて、王妃の美意識を反映したデザインが随所に見られるのがポイントです。
クイーンシリキット公園も!
タイのクイーンシリキット公園(Queen Sirikit Park)も、名前から分かる通り、シリキット王妃(Queen Sirikit)に敬意を表して名付けられた公園です。QSNCCのように、王妃の功績や思想が反映された施設のひとつです。
🌳 クイーンシリキット公園とは
- 正式名称:Queen Sirikit Park(クイーン・シリキット・パーク)/ シリキット王妃公園
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開園: 1992年
 
バンコク・ラマ4世通り近くにあります。広さ約16ヘクタールの都市型公園で、植物園や池、花壇などが整備されており、人気の公園です。またハスや蓮の池、タイ固有の植物を展示する熱帯植物園も併設されています。
◎シリキット王妃公園(AM5:00-PM7:00)
(🗺 https://maps.app.goo.gl/yWDRJfBPqFk55xwm6)
📌200/1 Kamphaeng Phet 2 Rd, Chatuchak, Bangkok 10900
👑 シリキット王妃との関係性
名前の由来
シリキット王妃公園も、シリキット王妃の生誕60周年を記念して開園しました。
王妃がタイの自然保護や文化保存に注力したことを称え、自然と国民の癒しを象徴する場として設立されたのです。
自然保護への想いの反映
王妃は自然環境の保全や野生動物の保護、伝統的植物の維持にも力を入れていました。
公園内には、王妃の指導のもとで植えられたタイ固有植物や花壇があり、まさに「王妃の自然愛の象徴」となっています。
国民への恩恵
公園は単なる観光地ではなく、市民が憩い、学び、自然と触れ合える空間として整備されています。王妃の理念「国民の生活の質を高める」ことが、公園の設計や管理に反映されているのです。
最後に
今回は、タイに深い功績を残したシリキット王妃について詳しく紹介しました。
自身の名前がついた建物や公園があるのは、シリキット王妃がタイにもたらした功績がとても大きかったことが伺えます。
タイに訪れた際は、ぜひ「QSNCC(クイーンシリキット国際展示場)」や「シリキット王妃公園」などに訪れてみてはいかがでしょうか!
【歴史関連の単語②】
ราชวงศ์
ラーチャウォン
(意味)王朝
พระบรมมหาราชวัง
プラボロムマハーラーチャワン
(意味)王宮
ศาสนาพุทธ
サーサナー・プット
(意味)仏教
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