タイの狂犬病感染と歴史、予防策7つまとめ。ワクチン予防接種注射の重要性

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タイで狂犬病に感染した人の割合(統計)2019年までの30年間のデータ、ワクチンや予防接種・注射の重要性や、過去のタイ政府の施策や歴史についてまとめてみました。
5つの感染の種類感染しない為の対策7つ、飼い犬にも注意、噛まれた後についても記載しています。

 

 

1.そもそも感染症とは(5つの感染の種類)と狂犬病について

5つの感染の種類

まずは感染症について、少し触れたいと思います。

感染の種類(経路)は大きく5つの感染に分類され、

①空気感染

②飛沫感染

③接触感染

④母子感染

⑤経皮感染(狂犬病はココに該当)

参照:https://dymclinic.com/infection-thai/#5

(②補足)直近の新型コロナではこの飛沫感染にも注意が必要と言われています。

 

狂犬病とは

⑤今回の記事の題材である狂犬病とは、狂犬病ウイルス (Rabies virus) を病原体とするウイルス性の人獣共通感染症と入れており、経皮感染つまり犬などのウィルスを持つ動物に噛また際に、ウィルスが体内に侵入し、傷口付近の筋肉細胞内で増殖し、神経筋接合部から神経細胞に侵入し、細胞質の流れにのって上行し、脊髄に到達して初めて症状が出ます。

潜伏期: 狂犬病ウィルスが傷口から脊髄に到達するまで

前駆期: 脊髄に到達した後、脳に達するまで

 

 

2.タイで狂犬病感染した人の30年分の統計データ

タイの狂犬病患者は十数年前までは年間200名以上であったが、直近10年間では年間で10名前後である。

参照:https://www.biovalys.com/vaccine/rabies-situation-in-thailand-1989-now/

・2001年の狂犬病患者は37名であるが,バンコクが最も多く8名であった。
・2017年に報告があったタイ国内の狂犬病患者は8県の11人で、全員が死亡。
・2018年に報告。16人で、全員が死亡。
・タイ保健省によると、2019年にタイ国内で報告があった狂犬病患者は3人で、全員が死亡(東北部スリン県、ブリラム県、南部ナコンシータマラート県)

*人口10万人に対する比率からみると,ミャンマーやカンボジア国境付近,南部など地方で多く発生しているとの事です。

参照:http://www.newsclip.be/article/2020/01/08/41628.html

 

 

3. 感染しない為の7つの対策

感染しない為に知っておくべき事(対策)

< 感染しない為には >

✓ 野犬に近づかない(寺院や、soiを歩く際、市場など)

✓ 犬のナワバリに注意する。野犬も飼い犬もナワバリがあり、その中に侵入した途端、吠える・威嚇・追いかけてくる事がある。

✓ 夜は特に注意する。夜になると活発的に活動する犬も多い。昼より噛まれるリスクは高くなるかもしれない。

✓ 前方不注意に注意する(知人で携帯を触っていたら、足元の犬を見逃しており、近づいたら追いかけられた。このケースは意外と発生しやすいかもしれない)

✓ 飼い犬にも注意する。野犬だけがウィルスを持っているとは限らず、飼い犬にも注意が必要である。

✓ 狂犬病ウィルスを持つ他の動物にも注意する(犬、、ウシ、キツネ、コウモリ、アライグマ、スカンク、マングースなど)

✓ タイの狂犬病危険区域に行く場合は特に注意する (詳細 : https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000027235.html )

タイの狂犬病の感染はいわゆる都市型とされ、犬が感染源のケースが多いようです。

バンコク市内の公園で1匹の犬が50名以上の人を咬んだという新聞報道も昔あったようです。おそらく発症した犬によるもの

 

タイの野犬について知りたい方はこちらの記事も確認ください。

タイの野良犬は100万頭!一体なぜ?追ってきた時の対処法もご紹介!

 

 

またどんな動物が感染しているかを見分ける方法もあるようです。

 

狂犬病に感染した可能性がある動物の見分け方

以下の状態が見える哺乳類には近づかないようにしましょう。

・極端な興奮状態になる 【狂騒型】
・攻撃的になる 【狂騒型】
・体中が麻痺 【麻痺型】
・食べ物や水が飲み込めない 【麻痺型】

参照:https://dymclinic.com/guide/vaccine/rabies/

 

4. 野良犬だけでない狂犬病の怖さ

タイ保健省の調査によると、狂犬病は飼い犬からも検出され、検査対象とされた犬で狂犬病ウイルス陽性となった半数近くは飼い犬であったと発表している。

2015年の調査によると、飼い犬の約8割狂犬病ワクチンの接種を受けていないことが判明している。

また調査の際に陽性となった犬の大半が幼犬であったとのデータもあるようだ。(参照:http://nichiju.lin.gr.jp/mag/05905/06_6a.htm)

可愛い犬こそ触りたくなる人間には残酷な調査であったかもしれない。可愛い動物こそ注意が必要とは残念な限りである。

 

狂犬病ウイルスを持つ動物のデータ(byタイ保健省)

報告があった数だけでも2015年が330、16年が614、17年は843と、年々増加しているようだ。

参照:https://www.excite.co.jp/news/article/TokyoSports_1395615/

 

 

5. タイ政府の対応の施策・歴史など

・1993年に組織培養ワクチンの輸入に切り替え

・狂犬病の感染が疑われるヒトへのPEPを可能にする対策を積極的に行う

・輸入品である組織培養ワクチンの節約使用法(タイ赤十字接種法)の開発・普及

・人への皮内ワクチン投与法など、新しい狂犬病への戦略を作成し、実施。皮内ワクチン接種法は、有効かつ安全で、従来の筋肉内へのワクチン投与よりも60-80%価格を安くできる(参照:https://www.forth.go.jp/topics/2017/09110946.html)

・狂犬病の知識の啓発

・野良イヌ頭数の減少(野犬の捕獲に対する動物愛護者からのクレームがありうまく進んでいない)

バンコク都内の野良犬は約10万匹に上る。年間の苦情は約4500件。その都度、行政当局が捕獲するが、日本のように殺処分はしない。避妊手術と狂犬病のワクチンを注射した後、飼い主が見つからなければ、施設で生涯にわたって面倒を見る。

参照:https://www.nishinippon.co.jp/item/n/384073/

捕まえられた野良犬たちはまずタイの玄関口であるスワナプーム国際空港に近いバンコク都プラウェート区の施設に運び込まれ、ワクチンの接種や健康状態の確認が2週間に渡って行われた後、タイ北部にあるウタイタニー県でバンコク都が設立した施設へと移送。収容後はその犬が生涯を終えるまで面倒を見る。餌が500トン、ワクチンが3~4万針分、その他の医療費などがかかり、年間で2450万バーツ(約8160万円)もかかっていると公共獣医局は公表している。

参照:https://hbol.jp/91586

・APECが開催された際には,政府は事前にバンコク市内の犬を一斉に捕獲

・タイ政府では定期的に 犬や猫などのペットに無料で予防注射を行うキャンペーンを展開している

参照:https://idsc.niid.go.jp/iasr/28/325/dj3254.html

 

タイの飼い犬に対する罰則とは?

・1992年 ペットが他人に迷惑や危害を加えた場合に飼い主は6か月以下の懲役か1万バーツ(約3.3万円)以下の罰金、もしくはその両方(*虐待したり捨てても罰せられることはない)

・2014年12月27日になってやっと動物虐待防止および動物愛護法が施行された。この法では理由なく殺害したり虐待すると2年以下の懲役か4万バーツ(約13万円)以下の罰金、もしくはその両方(*不適切な飼い方をしたり、放置、捨てるなどをしても4万バーツ以下の罰金)

参照:https://hbol.jp/91586/2

 

 

6. 予防接種が100%ではない。噛まれた後も重要

狂犬病ウイルスの感染よって起こる病気です。日本では1950年代を最後に犬での発症は途絶えてます
治療法は存在しないため、必ず予防接種がすべき病気です。(※仮に咬まれる前予防接種していても、咬まれた後にも追加の接種が必要です。)

また発症したら、100%死亡すると言われている恐ろしい病気です。

狂犬病対策は主に2つ

✓ 噛まれる前にワクチン・予防接種をしておく

✓ 噛まれた後(24時間以内推奨)、つまり発症前にワクチンや免疫グロブリン接種,すなわち暴露後免疫を行う

これらの事が重要とされています。

 

タイでは暴露後免疫の件数は年間20万とも言われております。(参照:http://nichiju.lin.gr.jp/mag/05905/06_6a.htm)

それにしても直近の死亡率は10人前後という事を考えると、可能性が発生(噛まれた)後に、どれだけ早く処置を行えるか、それによって、多くの狂犬病候補者の命が救われているようです。

 

6. 最後に

万が一、噛まれてしまった場合、もしくは傷口と動物の体液が接触する機会があった時は、すぐに日系のクリニックや病院で 処置 して頂くようにしてください。

飼い犬、野犬関係なく、犬以外の動物も狂犬病ウィルスを持つ動物は沢山います。

狂犬病については、危機感を持って皆さんがタイで安心・安全な生活ができる・お役に立てる記事となっていれば幸いです。

 

ปวดแสบปวดร้อนที่แผลที่โดนกัด

プアット セェープ プアット ローン ティー プレェー ティー ドーン ガット

噛まれた怪我燃えるような痛みがあります。

”狂犬病に関する”タイ語音声と動画コチラ

 

คลื่นไส้แล้วก็อาเจียนมา 2 วันแล้วค่ะ

 クルーンサイ レェーウゴー アージアン マー 2 ワン レェーウ カ

2日間吐き気がして吐いています。

”病院でお医者さんに症状を伝える際”のタイ語音声と動画コチラ

 

 

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