SDGs達成状況から見えるタイの特徴は〇〇!ASEANで最も社会問題解決が進む国?

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SDGsという国連が掲げる「持続可能な開発のための17のグローバル目標と169のターゲットからなる、国連の開発目標」です。

「持続可能な開発」ということもあり、ゴミ問題や海洋汚染、気候変動などの環境問題、貧困や飢餓、教育などの不平等の解決などが項目に入っています。

このSDGsの項目が達成されていれば達成されているほど、社会問題が少なくなっているということでもあります。

今回は2019年6月に発表された国連のSDGs達成状況報告書からタイを見ていこうと思います。

 

 

 

*こちらのページに記載の情報は2020年1月現在のものです。変更される可能性があります。

 

 

 

1. まずはSDGsの世界ランキングをチェック!

 

世界のランキング上位は以下のようになっています。

< SDGs 達成状況ランキング 1~5位の国 >

1位 デンマーク

2位 スウェーデン

3位 フィンランド

4位 フランス

5位 オーストリア

世界5位は東を中心としたヨーロッパの国が占めています。

 

身近な国のランキングを見ていくとこのようになります。

日本 15位
韓国 18位
カナダ 20位
アメリカ 35位
オーストラリア 38位
中国 39位
ロシア 55位
ブラジル 57位
南アフリカ共和国 113位
インド 115位

 

発展している国が上位に行く傾向はありますが、環境問題、格差や貧困が項目に含まれていることから発展している割には高くない国というのもいくつかあります。

 

世界全体でタイは40位です。 中国とオーストラリアに続く順位になります。

アセアン内の順位は以下の様になっています。

タイ 40位
ベトナム 54位
シンガポール 66位
マレーシア 68位
フィリピン 97位
インドネシア 102位
ミャンマー 110位
ラオス 111位
カンボジア 112位

 

経済状況に比例して、東南アジアは下の方の順位の国が多めです。

しかし、 かなり経済が発展しているシンガポールが66位、マレーシアが68位になっていることからタイのこの達成状況はかなり良いと言えそうです。

 

次に、タイのSDGsの各項目の達成状況を記載していきますが、他の国と比較して相違点を主に述べていきます。

ランキングの近いベトナムシンガポール、日本人にとってイメージのしやすい日本と比較してみましょう。

 

2. タイとベトナムの比較

タイの方が高い項目

「1:貧困をなくそう」、「9:産業と技術革新の基盤を作ろう」、「15:陸の豊かさも守ろう」がタイがベトナムよりも大きくリードしている項目です。

「1:貧困をなくそう」では1日あたり3.2$で過ごす人々の割合がタイでは0%になり、100%達成と評価されています。ベトナムも達成まで間近の状態です。

 

「9:産業と技術革新の基盤を作ろう」の項目では 「携帯電話回線を契約している割合」がタイは99.0%に対し、ベトナムは46.9%となっており、ここで大きな差ができていました。

少し調べてみたところ、4G回線の使えるSimは普及しているものの、4G回線を契約していない人が多いようです。(参考記事(ベトナム語))

2017年の時点で15%しか利用しておらず、3G回線が主流であるとのことで2019年6月時点で最新の統計ならば確かにそのようになるかもしれません。

 

「15:陸の豊かさも守ろう」に関しては、 生態系の維持に重要な地域の保護においてタイは最高の評価を受けています。

世界自然遺産として登録されているカオヤイなど、森林地帯や生態系の保護が進んでいるのはタイのとても良いところですね!

 

しかし、タイは「1: 貧困をなくそう」を達成しているとはいえ、実際には国連の統計上は貧困でなくても、スラムで生活せざるを得ない人等がいます。

詳しくはこちらの記事で触れています。

タイの貧困 なぜ貧困率1%のバンコクで、200万人がスラムに?

 

ベトナムの方が高い項目

ベトナムの方が高い項目は「5:ジェンダーの平等を実現しよう」「10:人や国の不平等をなくそう」「17:パートナーシップで目標を達成しよう」です。

「5:ジェンダーの平等を実現しよう」においては、タイはジェンダー理解が進んでいるという印象がありますが、ここでは「どれだけ男女が平等になっているか」を評価されています。

タイが特に低いのは、女性議員の国会議席の占有率。そのパーセンテージはベトナムの26.7%に対し、タイはおよそ5.3%です。

トランスジェンダーやLGBTに対しては進んでいるタイですが、女性の社会進出に対してはまだ問題が残っているようです。

「10:人や国の不平等をなくそう」に関してはやはり、タイのほうがジニ係数が高く、より多くの富を富裕層が占めているようです。

 

< ベトナムとタイのSDGsの達成指標はこちら >

 

 

3. タイとシンガポールの比較

タイの方が高い項目

タイはおよそ右半分の1~11の項目ではリードされていますが、12~15,17の項目で上回っています。

これらはほとんどの自然環境に関する項目で、 シンガポールは国土面積が非常に少ないのに加えて、外来種による危険性、生態系保護において重要な土地の保全においてタイと大きな差があります。

「12:作る責任 使う責任」に関しては、 シンガポールは窒素汚染を招く反応性窒素の輸入量や、電気製品・電子製品の廃棄物の量が大きくなっています。

反応性窒素は肥料として扱われた際に、土壌や河川を汚染し、アオコの発生やオゾン汚染の原因になっているという指摘もあります。電子廃棄物も同様に環境汚染の原因となっています。

 

シンガポールの方が高い項目

1~11の項目でシンガポールがリードしています。

大きく差が見られるのは「3:健康と福祉」です。

タイは100,000人あたりの結核感染数156人と非常に高く、病気に関する項目で問題が見られます。

また、もう一つタイで「重要な問題」とされているのが、 思春期(15-19歳)の女性の特殊出生数で、1000人あたり51人となっています。(シンガポールは3人)

タイの合計特殊出生率は1.5を切っているので、地方を中心に思春期の女性の出産が増えているのでしょうか。

 

< シンガポールとタイのSDGsの達成指標はこちら >

 

4. タイと日本の比較

最後に日本と比較してみましょう。日本はランキング15位ということもあり、ほとんどの項目でタイ以上のスコアを記録しています。

タイの方が高い項目

「5:ジェンダーの平等」、「12:作る責任、使う責任」がタイの方が日本よりも高くなっています。

とはいえ、 ベトナムとの比較で述べた女性議員の割合に関しては日本のほうが高いようです。(日本は10%で、タイは5.3%)

日本は特に「男女の賃金格差(男性が24.5%高い)」、「無給の家事と介護に費やされる時間の、男女の差(183.5分)」で低いスコアを記録しており、これらの数値で大きな差が生まれています。

また、 15-49歳の女性の既婚女性の生活満足度の平均も日本の60.1%に対してタイは89.2%という高いスコアを記録しています。

日本では毎年の離婚件数が20万件になり、シングルマザーの貧困問題が発生しています、タイでは離婚が認められていないことも一因としてあるかと思いますが、非常に高いですね。

 

また、「12:作る責任、使う責任」に関してはシンガポールと同様に反応性窒素の輸入で大きな差が出ています。

 

日本の方が高い項目

全体的に日本の方がスコアは上ですが、中でも、「9:産業と技術革新の基盤をつくろう」「10:人や国の不平等をなくそう」「16:平和と公正をすべての人に」で大きく差があります。

 

「9:産業と技術革新の基盤をつくろう」においては、 “R&D”、科学研究や技術開発に使う費用のGDPに占める割合で大きく差が出ています。(タイ0.6%に対して日本3.1%)

タイは製造業が盛んである一方で、大きな生産拠点となっていますのでベトナムやインドと同じくR&Dはまだ低いということでしょうか。

「16:平和と公正をすべての人に」の項目に関しては、“腐敗認識指数”が大きな差に起因しているようです。

 

< 日本とタイのSDGsの達成指標はこちら >

 

 

まとめ

普段、何かとタイの問題ばかりに目を向けてしまうので、タイの良いところに目を向けてみます。

やはり、タイの自然や生態系はとても良いところなのではないかと思います。

経済発展において近いところがあるベトナムや、同じ東南アジアの中でも進んでいるシンガポールと比べて見ると、その特徴は顕著です。

自然というとオーストラリア等の国が目立ちますが、タイは面積こそ劣るものの、世界遺産に認定されるほどの森林地帯がありますし、周辺地域にしか生息していない生き物も豊富にいます。

バンコクにいると、タイの経済発展ばかりに目が行ってしまいますが、たまにはバンコクを離れて、タイの自然を味わってみるともっとタイという国が好きになるかもしれませんね!

その他にも、日本と比べても結婚に対する満足度の高さなど、「微笑みの国」と呼ばれる一面が少し見られました。

特徴がもう少し異なる国と比べてみると、また別の特徴が出てくるかもしれません。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

出典:2019年 国連SDGs達成状況報告書

 

*こちらのページに記載の情報は2020年1月現在のものです。変更される可能性があります。

 

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