タイの自動車業界。生産台数は世界で何位?
タイには多くの日本企業が進出しており、特に日本の自動車メーカーの多くはタイに工場をもっています。トヨタ自動車、いすゞ自動車、ホンダ、日産、三菱自動車、スズキ、マツダなど主要な自動車メーカーはタイに進出しており、現地で生産、販売、そして日本や世界各地への輸出を行っています。今回はタイの自動車業界について、そしてコロナ禍におけるタイの自動車業界の状況をみていきます。
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1.タイの自動車生産数は世界で何位?
2019年の統計によると、タイの自動車生産数は世界で11位だといわれています。年間の生産台数は201万台。これは東南アジアで一位、東アジア地域では5位です。中国、日本、韓国などには生産台数では負けるものの、タイにおける自動車の生産台数はかなり多いことがわかります。
krungsri research(アユタヤ銀行業界調査) より引用
2.なぜ、タイで自動車産業が発展したか
生産台数から多いことから、自動車産業はタイのGDPの12%ほどを占める重要な産業です。
では、なぜタイは東南アジアの国の中で一番の自動車生産数を誇るようになったのでしょうか。
その理由は政府による政策にあります。その政策は1971年にタイ政府が方針を変えて、自動車の国内生産を促すことでした。当時は今と変わらず、タイは日本をはじめとする外国の自動車メーカーのOEM生産を行っていました。ですが、完成車や自動車部品の関税を引き上げ、日本を含めた外国の自動車メーカーや自動車部品メーカーにタイ国内での生産を促させました。これはタイの自動車産業を強化し、成長させました。タイ国内にある外国のメーカーに自動車部品から完成車までの生産を一貫して行わせる政策により、現在ではタイで作られる完成車の部品の80%はタイ国内で生産されるようになりました。
結果として、1997年に年間31万台だった自動車の生産数は2019年には201万台まで増加しました。
3.タイで人気な車種
タイで人気な車種はピックアップトラックです。ピックアップトラックとはキャビンの後ろに開放型の荷台を有する軽貨物自動車です。日本では2012年に日産がピックアップトラックの生産を中止し、馴染みがない車となりました。しかし、タイのピックアップトラックのシェアはかなり高く生産される4割の自動車はピックアップトラックです。
krungsri research(アユタヤ銀行業界調査) より引用
ピックアップトラックがタイで人気な理由をタイ人に聞いたところ、荷台にたくさん物を載せられる上に、4人も乗車できるからだそうです。(ピックアップトラックの種類によっては、4ドアなので使い勝手が良いそうです。)
日本ではピックアップトラックは生産されていませんが、いすゞ自動車のタイ現地法人である”ISUZU thailand”はピックアップトラックを現在も生産し続けており、新しいモデルが次々と発表されています。
Isuzu thailandの最新ピックアップトラックであるD-MAXのYoutube上のcmが1700万回以上再生されていることからも、タイ人のピックアップトラックに対する関心が高いと知ることができます。
4.コロナ禍におけるタイの自動車産業のゆくえ
タイ工業連盟によれば、コロナ禍におけるタイの自動車生産は、ロックダウンや需要の落ち込みによって、2020年度の生産台数は130万台ほどになると推定されています。この数字は2019年度には201万台にも及んだ生産台数から比べればかなりの落ち込みになります。
現状2020年1月から7月までの売り上げの減少は35%ほどですので、上記の推定も納得できます。
バンコクポストより引用
タイで生産されている自動車の半分近くが海外に輸出されており、海外での自動車の販売が低迷するとそれに影響を大きく受けます。
タイが自動車を輸出している、ヨーロッパでの売り上げは39.5%減、アメリカでの売り上げは23.8%減、そして日本での売り上げも20.1%減少しています。
今後もコロナ流行によるロックダウンが世界中で行われ、ヒトの移動が少ない状況続けば、自動車需要も低下し、タイの自動車業界も苦戦することになるでしょう。
ガソリン น้ำมัน (naam man) ナームマン
ガソリンスタンド ปั๊มน้ำมัน(pam naam man)パムナームマン
軽油 ดีเซล (deesen) ディーセン
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