クラビでコロナ陽性が判明したら、アオナンの高級リゾートホテルが隔離病棟だった【体験者にインタビュー】

サワディーカー!LABタイ語学校です。

タイ開国を控えた10月のある日、ここクラビで知人学生の陽性が判明。現在は、隔離、治療も終え、元気に回復して一安心なのですが、その際の感染隔離施設はアオナンのリゾートホテルだったとか。タイローカルでのワクチン接種の模様とあわせて紹介します。

タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿

 

1.感染源は友人の自宅【コロナ陽性体験者談】

感染したのは知人の高校三年生の娘さん。彼女は友人三人と別の友人宅へムーカタ(タイの鍋料理)を食べに出かけました。自宅に戻った次の日に、その家の父親が濃厚接触者として、PCRテストを受けに行ったところ、陽性と判明したと連絡があったそうです。ムーカタの場では、家族が濃厚接触者ということは知らされておらず、ビックリしながらも急いで、ともに出かけた友人三人と検査へ。濃厚接触者であったため、結果が出るまでの間も、病院が指定したアオナンのホテルへ移動を指示されます。この時、三人別々の部屋だったそうです。

とてもタイらしいなあと感じたのは、検査を行なったクラビ唯一の公立病院クラビ病院からアオナンのホテルまでの移動。時間にしてクラビタウンからアオナンまではクルマで30分ほどかかるのですが、なんと移送は自分たちで、ということで移送車は用意してくれなかったとか。彼女は一度、自宅に着替えを取りに戻り、バイクででかけたそうですが、クルマやバイクがないヒトはどうしていたのでしょうか。

そのホテルに滞在中に陽性が判明。 と同時に発熱が始まり、とても苦しかったといいます。 アオナンの病院でさらに詳しい診察が行なわれ、肺検査を行なった結果、三人とも比較的症状が同じように軽かったそうで、次に「The Pavilions Anana Krabi」という高級リゾートホテルへと移動し、ファミリールームに三人一緒に隔離が行なわれました。彼女のインタビューを行なったなかで不思議だったのが、14日間の隔離を経てからは、一度もPCRテストが行なわれなかったという点です。

彼女の母親(ご主人とともに陰性)つまり、アタシの知人いわく、コロナ感染後2、3日が他者へ感染する時期といわれており、感染後、1週間を越えると他者への感染そのものがしにくくなるため、感染者は抗体が出来ているため、容態が安定したあとは、PCRテストは行なわないとのこと。これは、日本でも同様なのか(多分PCRテストを行なっていると思う)、タイ独自のシステムなのか定かではありませんが、タイオリジナルだとすれば、これまた、タイらしい現実主義な制度だなあと思わざるを得ませんよね。

結局、彼女は14日間ホテルで過ごし、自宅へ戻り、さらに14日間待機し、今ではすっかり元気になりました。印象的だったのが、味覚障害になってしまったため(友人三人のうちこの症状になったのは、彼女だけだったとか)、何を食べてもおいしいとは感じなかったそうですが、嫌いだった生のトマトを食べることができたとか。家に戻ってきてからは(味覚症状が回復してからは)、元に戻り、また元のようにトマトは食べられなくなった、ということでした。

 

 

2.隔離施設は、SHA(アメージングタイランド健康安全基準)認定ホテル【コロナ陽性体験者談】

彼女のコロナ陽性が判明してから、隔離施設として14日間過ごした「The Pavilions Anana Krabi」は、SHA、アメージングタイランド健康安全基準プロジェクトに認定されているホテル。これは、厳しい衛生基準と認証制度を設け、国内外の旅行者からの信頼を高め、旅の安心感を提供、高い安全衛生基準を確保、感染防止体制の強化と公衆衛生レベルの向上を後押ししている、タイが国を挙げた新しい取り組みです。

タイ開国、といっても、タイに入国する際はワクチン接種者であっても、このSHA認定ホテルに、外出は自由であるものの、7日間程度ステイしなければならないといわれています。その地域も限定される予定で、その一地域としてクラビが挙げられていますが、先を見越してこの「The Pavilions Anana Krabi」は、SHA認定を取得したホテルのひとつだと思われます。

この「The Pavilions Anana Krabi」は、コロナ以前は日本人もよく泊まる、人気の高級リゾートホテルです。クラビ特有の景色がのぞめる素晴らしい立地で、食事の評判もいいホテルです(感染者の彼女は、隔離期間中、味覚障害になっていたため、その味がどうだったのかはわからなかったようですが)。

クラビ、特に観光客に人気の高いアオナンにはたくさんのホテルがあるため、感染者の彼女が泊まるまで、このホテルを知らなかったのですが、スタッフもとてもよくしてくれたという話なので、近い将来、クラビに訪れることがあるならば、ぜひともオススメしたいホテルのひとつです。

【 The Pavilions Anana Krabi】

 

 

3.クラビ病院で行なわれたゲリラ的ワクチン接種【筆者の体験談】

コロナ感染に関連して、クラビでのワクチン接種について少しお話したいと思います。クラビでは最近学生たちのワクチン接種が始まったのですが、アタシ達日本人を含む外国人枠の接種は実質上まだ行なわれていません。もちろん、お金を出せば病院でワクチン接種を行なうこともできるのですが。

バンコクやチェンマイなどでは、日本大使館枠のワクチンを接種できるようですが、ここクラビではまだ、というよりも今後もおそらく大使館枠のワクチンを接種することはできないと思います。理由としては、クラビには外国人が少ないからではないでしょうか。知人のフランス人もフランス大使館枠のワクチンをプーケット島まで打ちに行ったと聞きました。

アタシ自身はというと、実はタイ人に混じって先日ファーストショットを打ってきました。これは、先述のクラビ唯一の国立病院、クラビ病院で、ゲリラ的に行なわれたワクチン接種に参加したものです。タイ人のご主人を持つ日本人女性から連絡があり、誘いを受けて行ってきました。クラビではタイ人自体も順番がまだ回ってきてないヒトも多く、待ちきれず、このゲリラ的に開催されたワクチン接種に参加したヒトは一日で4000人にもいたようで、本当にここでパンデミックが起こってしまうのではないか、と懸念されるほど、多くのヒトがいました。クラビ病院は敷地内がとても広く、中庭のような場所に大きな仮設テントのようなものが設けられており、そこで、受付をしたり、順番を待ったりしました。日本人は友人とふたりだけでしたが、10数人の外国人を見かけました。主にミャンマー人のようでしたが、数人の欧米人らしきヒトも見かけました。

 

 

4.タイ開国後についての推測

現在、ピピ島、ライレイビーチへ行く定期船というのはまだ運航しておらず、11月からの開国に向けて、ツアーを含めて準備は進められているようです。冒頭でコロナ感染隔離施設として利用されていたホテルを含め11月以降は隔離施設ではなく、観光客のためのホテルとして、準備期間に入っているようです。

この10月後半になり、それまで閑古鳥が鳴いていた知人の飲食店に、タイ人が殺到して座れないという時がありました。「どうしたの?」とオーナーの知人に聞いてみたところその日のお客さんの半分以上がバンコクからの観光客だったとか。元々お客さんのほとんどがタイ人でとても人気のレストランだったのですが、現在に至るまで、コロナ前を彷彿とさせる大忙しの毎日が続いており、少しずつではありますが、観光地らしいクラビが戻りつつあるのかなぁという気がしてきています。

 

タイ・クラビ在住chinagaの寄稿でした。

 

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