タイで迎える、中国の旧正月「春節」。2021年度は和やかです

サワディーカー!LABタイ語学校です。

2月12日は中国の旧正月「春節」。通年は祝日ではないのですが、連休を増やして国民の国内観光を後押しすることを目的に、昨年末のタイ政府の閣議決定で、2021年限定ではあるもののタイでは祝日となりました。当日、町をぐるりと回ってきましたが、タイ政府の思惑もむなしく、ここクラビにはあまり観光客が来ていないようでした。

タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿

前日の11日の大晦日には、朝からあちらこちらで爆竹が鳴っていました。日本ではあまり気に留めることがなかった旧正月「春節」。クレーンで飾り付けをするなど、コロナ禍のなかでも、つかの間だけでも華やかな雰囲気と正月気分を味わせてくれる「春節」とはなんぞや!?と、興味がわいてきました。

1.そもそも中国の旧正月「春節」って一体なに?

中国、中華圏、世界各地で暮らす中華系の人々にとって、旧暦の正月、すなわち旧正月を「春節」といい、彼らにとっては一年を通して最大の祝日といえます。新暦の正月、つまり1月1日よりも盛大に祝われ、中国はもちろん、シンガポールやマレーシア、ベトナム、ブルネイなど中華圏では祝日に定められています。タイでは今年だけ例外的に祝日となりましたが。いわゆる日本人にとっての元旦が、中華系の人にとっての「春節」にあたるといっていいでしょう。

日本でも明治時代以前は「春節」を正月として祝っていた、という文献も残されています。年賀状などのあいさつで「迎春」や「新春」といった文言が交わされるのは、この名残だとか。毎年日付の変わる「春節」は、太陰暦で決められており、100年先まで計算できるとか。ちなみに2022年は2月1日、2023年は1月22日、2024年は2月10日、2025年は1月29日。 その計算方法を書いてしまうと、それだけでひとつの記事になってしまうのほど膨大な情報量になってしまうので、それはまた別の機会にでも。

では、中華系の人が祝う「春節」とは、どんなものなのでしょうか。それは、アタシたち日本人が元旦に家族が集まり、雑煮やおせち調理を食べるように、家族で中華ならではの春節料理を味わいます。それは、海老や豚の丸焼きなど装飾が素晴らしく、映えるものから、餃子や白玉など、その家族や出身の地域によって違いがあるようです。ひとつだけ違うのが、「春節」は大晦日にあたる前日に家族が集まり、揃って食べるということ。そして、ハッピーニューイヤーの瞬間、夜の0時をまたぐ瞬間、爆竹を一斉に鳴らして祝います。地域によっては、除夜の鐘を鳴らすお寺もあるようです。

その瞬間、アタシはもう寝ていてしまっていたので、聞くことはできませんでしたが、今年の大晦日にあたる2月11日は、朝から爆竹の音が鳴り響いていました。そして「春節」の当日。「紅包」と呼ばれるお年玉のようなものが、年長者から渡されます。これも日本の元旦に似ていますよね。このほか、親戚の家に挨拶に行ったりするのも伝統的なしきたりとしてあるようです。

 

 

2.タイで祝う場合、中華圏で祝う場合、「春節」の違いは?

アタシが住んでいるクラビはもちろん、タイ国内にはいわゆる「タイチャイニーズ」と呼ばれる中華系タイ人がたくさん暮らしています。何世代かに渡り、ファミリーがたくさんいる中華系の人たちは、商売も休み皆で新年を席を設けて祝います。2021年の「春節」にあたる2月12日は、中華系のヒトたちのお店のほとんどがお休みしていました。これは、例年みられる光景で、めちゃくちゃ流行っているお店でも、この「春節」の時期だけは休みます。

通年であれば、働き者のタイチャイニーズでも少なくても1週間程度ほど休むのですが、今年ははたしてどうなのでしょうか。この原稿を書いているのが、「春節」当日なので、この先どうなるのか今のところ不明ですが、知り合いの中華系タイ人のレストランオーナーが、「商売がたいへんだ!」とつぶやいていたので、コロナ禍の今年は、休日を返上し、営業するのかもしれませんね。

クラビ在住の香港出身中華系の友人の家では、「春節」の数日前の縁起のいい日に、赤と金がモチーフのさまざまなものが飾っていました。同居するフランス人ボーイフレンドが「ここは、中国人の家なのか!!」と言っていましたが、そんな声もなんのその。友人は「そうよ!!」と言い張り、金銭的に恵まれますように!的な文言の入った、 様々なステッカーを貼りまくっていました。

そして、アタシにもそのひとつである家で飾るステッカーと「これは枕の中に入れて寝て!お金に恵まれるわよ!」と、60バーツ入りのとてもゴージャスなポチ袋をくれました。前日の大晦日には、彼女の出身地、香港で集まる親族とビデオ電話してハッピーニューイヤートークを交わしたようです。香港もコロナ禍で厳しいようですが、同じく厳しい状況にあるイギリスで暮らす弟家族ともビデオ電話し「春節」を祝ったようです。

 

 

3.通年のタイの旧正月との違い。タイチャイニーズと中国人旅行者について

10年近く前、タイに住む以前に旅行でタイに来たときのことです。それが、ちょうどこの「春節」の時期で、そうとは知らず朝食を食べによく行っていたカフェに行ったらお休みだったことがありました。「そっか、今日は春節。ここは中華系のヒトがやっているカフェなんだ」と思い、セカンドラインに行ったらまたもやお休み。おいしいコーヒーとおいしいパンが食べたかったのですが、諦めて、ジョークや飲茶の店に行ったものの、すべてお休み。

途方にくれていたところ、店先でなんだか賑やかにごはんを食べているヒトたちがいたから「いい?」と聞くと、ためらいもなくOKが出たので、勝手に加わり、取り皿をもらいつつ辛くないものを教えてもらい、ごはんとおかずを食べてお会計をお願いしたら「マイペンライ!」と。アタシたちは「???」

つまりコレ、親戚が集まり「春節」のお祝いをしていたところに「食べた~い。食べていい?」と、ヨソのお宅の祝いの席にズカズカと入り込み、ごちそうになってしまっていたのです。この状況、後から知って恥ずかしくなってしまいましたが、知らないというか、無知というのはオソろしいですよね。けれども、ラッキーというかハッピーな出会いに恵まれ、いい体験をすることができました。

普通だったら、家族、親族でお祝いの食事をしているところに、見ず知らずの外国人が来たら、断りますよね。アタシだったら、ハッキリ言って断ります(笑)。けれども、受け入れてくれました。タイ人の、中華系であれ、何系であれ、この優しさが大好きだから、アタシは今、ここタイに暮らしているのかもしれません。

去年、タイで「春節」を迎えた時、まだ、中国本土からたくさんの旅行者が来ていました。それ以前も中国人旅行者たちの行動は、日本でも、タイでも、ホテルでも、レストランでも、賛否両論、さまざまな物議を醸し出していました。アタシ自身も「えっ!」という行動を取る中国人旅行者を目にしましたが、彼らは「春節」という長期休みに向けて働き、「春節」という最もハッピーなホリデーで、ハメを外していたのでしょう。

これは、何十年も前にアタシたち日本人がタイを訪れた時、ここは外国とばかりに、その国の常識を慮らず、好き勝手、自由奔放に行動していたのと同じなんだよなぁと、今になって、ようやく理解することができます。それは、今、国を閉じているタイに外国人が入って来ていないからなおさら強く感じることなのかもしれません。それが懐かしくもあり、戻るのがコワくもあり。タイが開国された時、一体どんな未来が待ち受けているのでしょうか。

 

 

4.タイでも、中華圏でも「春節」とは、家族で祝う中華系最大の祝い事

「春節」の今日。夕刻になりましたが、町の中はいつも通り、いや、むしろいつもより静かな状況です。中華系のヒトたちは、この時間も家で家族で新年を祝っているのでしょうか。ランチで行った中華系ではないクイッティアオ(麺屋)さんでは「今日は春節だから静かです」と言っていました。来年2022年の「春節」はどうなっているのでしょうか。それまでに、世界が平穏を取り戻していることを切に願います。

 

タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿でした。

 

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