クラビ郊外「アオルック」。そこには絶景広がる、お寺と海鮮レストランとカフェが
サワディーカー!LABタイ語学校です。
「アオルック」という地名を聞いたことがありますか。アタシはクラビで暮らすまで知りませんでした。クラビ県の一部だということも含めて。「アオルック」はクラビ市内とは異なる風光明媚な風景が広がり、住人ですら旅気分を味わえる素晴らしい場所です。
タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿
1.「アオルック」って、どんなところ?
「アオルック」は、クラビ県のひとつで、中心地であるクラビ・タウンの北西部、パンガー湾に面した場所に位置。クラビ市内からは、カヤックツアーなどをのぞく定期バスなどはなく、クルマで約1時間ほどかかります。
その歴史は古く、アユタヤ王朝時代から集落があった地域です。「アオルック」はカヤックができることで有名ですが、そのツアーの途中で必ず寄る「ターンポークコラニー国立公園」内にある洞窟でも貝などの化石や古代壁画が発見されており、その歴史の深さを知ることができます。
【アオルック(Ao Luek)】
2.絶景の天空の白いお寺「ワット・レムサック」
タイに、クラビに、数多くの寺院がありますが、お寺そのものがこんなにも美しく、360度パノラマ素晴らしい景観に恵まれているのはめずらしいのではないでしょうか。お寺の名は「ワット・レムサック」。「アオルック」にあるレムサックという地域にあるお寺で、とても丁寧に作られたサイトを見つけました。その歴史を調べていくと、とても興味深い内容が紹介されていたのでご紹介したいと思います。
今から70年ほど前のことです。道路もなく、荒れ地だったアオルック・レムサック地域に、アジャンアンパーパックグラッドというひとりの僧侶が、イサーン地方(北部)から巡礼にやってきました。ひとりで徒歩でやってきたという記述がされています。なぜ、人里離れた、何もないこの地に来たのかは定かではありませんが、ここに暮らす村人たちがこの僧侶をとても手厚くもてなし、しばらく滞在するようにすすめました。やがて、僧侶は村人にとても信頼されるようになり、同行して巡礼を共に行なう者も出てきたとか。この僧侶は、やがてレムサックを拠点にパンガーやプーケットなどへも巡礼行くようになります。
その約2年後、さらにふたりの僧侶たちがレムサックの滞在に加わるようになります。ふと、疑問に思ったのですが、電話もメールもないこの時代、どうやって居場所や「今から行くよ」という連絡のやりとりをしていたのでしょうか。今でいう郵便のようなものがあったのでしょうか。何はともあれ、3人の僧侶とレムサックの住人たちは協力しあい、礼拝所として小さな茅葺き屋根の小屋を建てたり、この地域の住人をイサーンへと送り修行を行なわせたりします。
一方、レムサックで9年間修行をしたチャンラムメムシリという僧侶が、村人の協力と希望ももと、より充実した建物を建てることに着手します。木製の柱、コンクリート製、亜鉛メッキされた屋根といったモダンで斬新、当時としては破格の1万3千バーツの建設予算を元に、寺院とまでは呼べないものの集会場のような宗教施設にふさわしい建物を完成させます。1957年のことでした。
10年後の1967年。当時のクラビ県知事が、巡礼のことを考えてなのか、アオルック・レムサック地域の砂利道を整えるように指示。地域の道路がきれいに舗装されます。1984年、レムサックの村人たちは正式に寺院建設を行ないたい旨を当時の宗教局に申請。受理され建設が進行します。
1987年、ようやくタイ政府は「ワット・レムサック(レムサック寺院)」を正式に寺院として認定。現存する360度パノラマの美しい景観が臨める回廊の基礎はこの時点で設計され、2007年にようやく全ての建設が終了しました。
長い長い改築と歴史を経て、現在の姿を成している「ワット・レムサック」。同サイトで初めてタイにおけるひとつの寺院ができるまでの歴史を知ることができました。描ききれていない、説明しきれていない部分はあるのでしょうが、タイミングと人間の温かさと偶然が交錯して、お寺というものは生まれるものなのだ、と少し感慨深くなりました。
【ワット・レムサック(Wat Laem Sak)】
3.絶景を見ながら、新鮮なシーフードを味わう「レムサック・シーフード」
海に突き出す、桟橋の一部のような水上シーフードレストラン「レムサック・シーフード」は「ワット・レムサック」から、すぐの場所にあります。一度しかここを訪れたことがないのですが、その印象は鮮明に残っています。それは、クラビ中心部のビーチ沿いとは少し異なるシーサイドの景観、素朴な店員さんの接客にあったかもしれません。
クラビは海の近くなので、さまざまなシーフードレストランがあります。味、価格、雰囲気、便利さ、店員さんの接客態度、本当に千差万別です。田舎なので、タイ語だけしか話せない店員さんも多く、ジェスチャーのみでやりとりするのが楽しかったり、「タイ語話せないんだったら、他の店員呼んできまーす」と、他力本願的な店員さんが的ないたり、本当にさまざまで、それが素朴で魅力的だったりします。
アタシはビールが好きなので、外でランチをする時、メニューによってはビールを頼んでしまうことがあります。その代表格が「カラマリ」「シュリンプケーキ」です。揚げ物とビールって合うんですよねえ。この「レムサック・シーフード」は、「カラマリ」がおいしいから、と友人に連れて行ってもらいました。
「カラマリ」とは、いわゆるイカリングフライのこと。日本風、スペイン風、イタリア風、そしてタイ風。いろいろなタイプがありますが、絶品「カラマリ」に出会うと思わず微笑んでしまいます。クラビは海に囲まれた地域なので、イカがとても新鮮。その新鮮なイカをカリッとサクッと揚げて、マナオ(タイのレモン)をかけて、一緒にサーブされる甘辛い「エビチリの素」のようなソースにつけると最高です。
「レムサック・シーフード」の「カラマリ」は、噂通り絶品でした。これだけではなく、「シュリンプケーキ」や「クンチェナンプラー(ニンニクやタイ調味料とともに食べる生エビ料理)」、蒸したシャコ、魚の酒蒸しなど、日本では味わうことができないシーフードの数々を堪能することができ、幸せなひとときでした。
【レムサック・シーフード(Laem Sak Seafood)】
4.タイでススキを発見。山の中の隠れ家カフェ「アオルック・オーシャン・ビュー」
おいしい食事を堪能した後は、おいしいコーヒー。「アオルック」にドライブに、ランチしに行った後は、山奥にあるインスタ映えするカフェ「アオルック・オーシャン・ビュー」。こちらは、タイ人にもかなり有名らしく、コロナ禍のなか、平日にもかかわらず、かなりのタイ人のお客さんであふれかえっていました。
タイでは(クラビだけかもしれないけれど)、インスタ映えする、SNSなどで有名なカフェやレストランで、飲食をせずに写真だけを撮るヒトが多く、ちょっとした社会問題になっています。あまりにも写真だけ撮るヒトで混雑してしまうお店は、入場料を取る(飲食すれば相殺されますが)ところもあるほどです。
こちらのカフェは入場料など取ることもないので、多くのヒトたちが、多くの自撮り大好きタイ人が訪れますが、「コーヒーでも飲んで行こうか」という雰囲気にさせてくれるスポットです。この優雅な景色を見てしまったら、ゆっくりとお茶したくなってしまうのかもしれません。
店内はそんなに広くもなく、それでもひっきりなしにヒトが訪れますが、店員さんたちも慣れているようで、コーヒー1杯だけで長時間まったりしても、急かされることなく、ゆっくりとした時間を過ごすことができます。ちょっと感動してしまったのが、タイに来て初めてススキを見たこと。そして「ああ、お団子が食べたいなぁ」と思ってしまったのは、日本人ならでは、の感覚なのでしょうね。
【アオルック・オーシャン・ビュー(Ao Luek Ocean View)】
5.海も山もお寺も素晴らしい。タイ・クラビ郊外「アオルック」
クラビ県の中でも、特別で、さらに田舎に位置される「アオルック」。似ているようで非なるその景観は、心が洗われるものがあります。クルマで1時間強。クラビ住人だけれども、ココに訪れることで、ちょっとした旅気分が味わえる「アオルック」。また、行ってみたいと思わせてくれる場所のひとつです。
タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿でした。
1.ไปทะเลทั้งที เอาชุดว่ายน้ำไปด้วยนะ
パイ タレー タンティー アウ チュット ワーイナーム パイ ドゥアイ ナ
せっかく海に行くんだから、水着を持って行ってね。
”主語+動詞+目的語+タンティー(ทั้งที)=せっかく~だから” で使えるタイ語音声はコチラ