オリンパスがタイ国内の内視鏡医師育成支援、AI内視鏡診断システム推進を本格的スタート

サワディーカー!LABタイ語学校です。

オリンパスは、タイでの内視鏡診断普及のため、総務省プロジェクトである「タイにおける高精細映像技術を活用した内視鏡及び AI 診断支援システムの国際展開に向けた調査研究」に事業推進者として参加。7月20日にキックオフが開催されました。

タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿

 

1. 2015年 タイとオリンパスの関係がスタート

まずは、さかのぼること2015年2月。オリンパス社がタイにおける「アドバンス内視鏡外科手術普及促進事業」に参加することになりました。これは、オリンパス社と大分大学が共同で日本スタイルの内視鏡外科的手術の技術を現地タイ人医師に指導、育成するという目的のもとスタートしました。

これは

  • 世界をリードする内視鏡外科手術
  • 新たな技術の進歩
  • トレーニングコースの実施
  • アジア太平洋地区への展開

をミッションに掲げ、高まりつつある

  • 早期診断
  • 低侵襲治療

の需要に対応すべく、医療水準向上に貢献。

その際の研修指導施設として

  • マヒドン大学附属シリラート病院
  • チュラロンコン大学附属病院

が選ばれ、当時は、日本へタイの医師を招いての指導も行なわれました。

 

 

2.タイにおける内視鏡の意義とは

内視鏡の歴史は1950年代に開発された胃カメラに始まります。当初は「視る」ための機器でしたが、現在では「病変をさまざまな角度から診て、治療する」機器へとその役割を発展させました。多くの医療機器や診断・治療方法が欧米を中心に発展してきた中、消化器内視鏡に関しては日本がリードしており、そのトップシェアを占めているのがオリンパス社の製品ともいえます。

一方、タイでも医師の内視鏡手技トレーニングは行われていますが、標準化されておらず、各大学病院などで独自に実施されているといいます。最先端の機器が揃っていても、それを扱える医師がいなくては意味がありません。

機器をしっかり使いこなせる医師の数が増えれば次世代のタイ人若手医師、さらには

  • ラオス
  • カンボジア
  • ミャンマー

など周辺国医師の育成にも繋がるはず。急速に高齢化が進むタイですが、「予防医療」の意識はまだ低く、病院に行くのは身体に異常を感じてからというのが通常という現状。異常の原因ががんであった場合は既に進行してしまっている可能性が高い。進行がんの治療には最先端の医療技術が求められるほか、手術自体の難易度も上がります。医療に関心の高いタイでは、予防医療が浸透する可能性を持っており、積極的な内視鏡技術の普及が期待されています。

 

 

3.2016年 バンコクにオリンパスが内視鏡のトレーニングセンターを設立

2016年、オリンパスは、タイのバンコク市内に「T-TEC (Thai – Training and Education Center)」を開設。T-TECは主に東南アジアの医療従事者に向けた内視鏡関連の教育・トレーニングの場を提供する施設として2016年7月から本格始動しました。

教育やトレーニングの場を提供することにより、消化器内視鏡、外科内視鏡に関連する知識や診断・治療などの医療技術基盤の強化に貢献するために設立。東南アジア諸国において、より多くの医療従事者に利用してもらうことを目的としているため、東南アジア地域からアクセスしやすいタイに開設されました。同施設は

  • 医師
  • 看護師
  • 医療技師

向けのトレーニングのほか、医療関係者の研修の場としても使われています。

 

 

4.2021年 タイに日本人医師を派遣して、内視鏡AI 診断システムの普及へ

2021年7月、タイにおける内視鏡 AI 診断の医師への育成支援を推進総務省プロジェクトに参画したオリンパスは、内視鏡医が不足するタイでの内視鏡診断普及のための事業推進車として参加。タイ消化器内視鏡学会 TAGE(Thai Association for Gastrointestinal Endoscopy)と連携し、プロジェクトの協力機関である昭和大学横浜市北部病院の医師が講師として、TAGEから任命されたマヒドン大学附属シリラート病院にて、2021年8月から2022年3月にかけて指導医を育成を実施します。

TAGE のノンタリー・パウサワスディ学会長は「内視鏡検査における AI の経験を高める機会を得られたことに感謝しています。私たちのメンバーや次世代の 内視鏡医が、内視鏡診断のための最新のAI 技術に関する知識やスキルを身につけることができると確信し ています。」とコメントしました。

タイでは経済成長に伴う食生活の欧米化や高齢化に伴い、がん罹患率が近年増加傾向にあり、特に大腸がんはがん全体の中で

  • 罹患率が第4位
  • 死亡率が第3位

と高く、社会的な課題となりつつあります。がんの早期発見や治療に欠かせない内視鏡検査の需要増加が見込まれる一方で、内視鏡検査に必要な高い知識や技術を有する医師の数は不足しているため、技術の取得に期待をよせています。

内容としては、

  • タイにおける医療・保健・健康分野の政策に関する現状調査
  • タイにおける医療ICT化の現状調査
  • 内視鏡システムを含む医療システムなどの普及状況についての調査
  • タイにおける実証実験による検証
  • AI診断支援システムを用いた大腸内視鏡による病変の検出から鑑別診断までの医師に対するトレーニングの実施

が挙げられています。

 

 

5.日本の医療業界はタイへ貢献できるのか

タイの人々は、ハーブやマッサージなどタイ古来から伝わる伝統医療に頼る場合も多いですが、現代医療においては、西洋医学の恩恵を受ける場面も多く見られ、なにかあるとすぐに病院へとかかるヒトが多いように思います。先日も日曜日にもかかわらず「背中がいたい」から、という理由で病院受付をしているヒトをみかけました。「マッサージに行けばいいのに~」と思ったのですが、やはり時期的なこともあり不安になるヒトが多いのでしょうか。国立病院は本当にいつも混み混みです。最新の日本医療がタイへ貢献してくれると、我々在住日本人もうれしい限りです。

 

タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿でした。

 

เขามีความรู้เกี่ยวกับการผลิต

カウ ミー クワーム ルー ギアウ ガップ ガーン パリット

彼は生産についての知識を持っています。

<経理の場面>に関するタイ語音声とタイ語記事コチラ

 

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