タイの洗濯事情。ウォッシュ&ドライ「Otteri」の快進撃
サワディーカー!LABタイ語学校です。
タイ人は基本的にコインランドリーで洗濯する人が多く、家に洗濯機がある人は少ない。今までは街中にポツンと洗濯機、状態だったのですが、最近、専門店が増えてきました。
1.暮らす。旅する。タイの洗濯事情
タイで暮らしたり、ロングステイする時はもちろん気になるのが洗濯事情。人によってその重要性は変わってきますが、なにせ暑い国ゆえに、少し出かけると汗がドバーッと出て、シャワーを1日に何回も浴びることになります。そんな時は洗い立てのTシャツが着たい!となり、洗濯の回数も増えます。
日本人の場合、コンドミニアムを借りる人が多いですが、こちらも千差万別。洗濯機が備わっているところもあれば、階下に何台かのコインランドリーが並んでいるところがあったり、キッチンがあるところもあれば、ないところもあり、家を選ぶときはこの洗濯機とキッチン、家賃とのバランスが重要になってきます。
旅行でタイに滞在する場合の洗濯事情としては、3つの選択肢があります。
- 街(または居住区の敷地内)のランドリー店で自分で洗濯して、室内外に干す。
- 街(または居住区の敷地内)のランドリー店で自分で洗濯、乾燥する。
- いわゆる洗濯屋さんに全任せで、畳みまで依頼する。
A.B.の場合、後で紹介する「Otteri」を含めて、ランドリー店が街中に多く存在します。こちらはほとんど乾燥機まで備わっているので、ドライ仕上げまでできます。スコールなども多いので、屋外に干すのはちょっとという場合や雨季にも重宝するため、洗濯機を持っているロングステイ者や在住日本人も、時々利用します。もちろん、経費削減のために洗濯だけして持ち帰り、室内外に干すという人も。
C.のすべてお任せタイプの洗濯屋さんは、在住者であってもタイ国内旅行の時などに利用できる便利なところ。これは、チェーン店などはもちろんなく、普通の民家のようなところで、洗濯物が多くあるところを足で見つけたりすることになります。アタシはチェンマイが好きでよく旅に行くのですが、ある日のランチ後、屋外で休憩していたら、隣の隣で次々と若い欧米人が入っては出ていくスポットがあり「なんだろう」と興味が沸き、見ていたところ、いわゆるすべてお任せできる洗濯屋さんでした。その場所や対応がいいのか、キレイに仕上げてくれるのか、理由はわかりませんでしたが、きっと欧米人たちの情報サイトか何かで高評価だったのでしょう。ほんの10分ほどの間に、10組近くがその場所に出入りしていたのにはびっくりしました。
2.ウォッシュ&ドライ「Otteri(オッテリ)」とは
いわゆる自分自身の手でウォッシュ&ドライをするところがなぜ人気かというと、料金体系にあります。最近、どの街でも見かけることが多くなった「オッテリ」は、洗濯、乾燥がそれぞれ40バーツ(15キロまでは同一料金)。洗濯乾燥しても、80バーツ、円安の今でも300円強でできます。が、すべてお任せの洗濯屋さんであれば、1kgが30~50バーツほど。キレイに畳んで渡してくれますが、倍以上の料金がかかります。旅行の場合、洗濯や乾燥をするその時間の方かお金よりももったいないので、こちらを利用するほうがいいでしょう。
「オッテリ」について少し調べてみると、コンビニブランドのひとつとして、フランチャイズ式ランドリーショップとして、2016年、今から7年前に設立。かわいいカワウソのマスコットキャラクターを作り、最新洗濯機を装備、防犯カメラやWIFIを完備、人を常時おくことでさまざまなアドバイスやサービスを提供する新しい形のランドリーショップとしてオープンしました。
2016年の設立から順調に発展し、現在、タイ国内に約800店舗を展開。年間約10億ドルの売り上げを誇るらしいから、すごい急成長ですよね。2022年には、ガソリンスタンドで有名なガス会社「PTT」の資本も入り、その成長に拍車をかけているようです。これからの展望として、移動式シャワーの設置やホームレス支援などの社会貢献も検討中だとか。
「オッテリ」が短期間で急成長した主な要因は、洗濯機が壊れている、さびしい雰囲気、汚い、洗剤や柔軟剤がない、など、今までのクリーニングショップの欠点を補い、ユーザーの心理に沿って店舗を展開したことにあります。これは、アタシの考え方ではなく、「オッテリ」のサイトで自らが語っていること。これだけを切り取ると自信過剰にみえますが、一度でも店舗を見たことがある人はわかると思いますが、その明るさや清潔さには目を見張るものがあります。
3.「オッテリ」のCEOとはどんな人なのか
「オッテリ」のCEOは、Kim-Kwin Nithatjarunukul。サイト内では「グウィン」と呼ばれて、インタビューに答えています。グウィン氏はシーナカリンウィロート大学を卒業後、親戚のビジネスであるジュエリーの取引に従事。が、その商売はうまくいかず、洗濯洗剤や漂白剤、柔軟剤を販売を行なう会社の営業マンになります。会社員をしながらも常に新しいビジネスを考えており、ある時、中国製の洗濯機に出会います。
まずは、洗濯機を売ることから始め、当初はうまくいくのですが、ネット通販により「人(営業マン)を介さなくても、モノは売れるのではないか」という考えに。携わっていたビジネスからの影響で、ランドリー工場を作るというビジネスを立ち上げます。がこれがタイ人の文化にマッチしなかったと語ります。「工場に勤めている従業員ですら手、自分たちの洗濯は手洗い、といっても自分たちで洗濯機で洗うという方法を好み、工場を利用しませんでした。当然、うまく回転せず、工場を断念せざるを得なかった」
ただ、家庭での洗濯におけるトレンドは変わりつつあるということは実感。そこで、タイ人文化のコインランドリーに目をつけ、今までのショップの欠点を洗い、新しい形態を作り出すために、徹底的にマーケティング。その結果、明るく、清潔で、そこで安全に過ごせる、24時間営業のランドリーというものに目をつけ「オッテリ」が誕生したのです。
4.スペシャル「Otteri」がある !?
とにかく、タイで過ごす私たちが、快適に洗濯できるスペースがあるのが一番ありがたい。ウチの洗濯機が壊れて、修理に出している間、近くの「オッテリ」を利用していたのですが、この近くの「オッテリ」だけがスペシャルだったということを今日、取材に行って初めて知りました。というのも、ここ、洗濯物を預けたら乾燥機まで入れてくれ、袋に軽~く畳んで渡してくれたので、全ての「オッテリ」がそうだと思っていたのですが、どうもここだけのスペシャルサービスのようでした。これで、乾燥までして80バーツは安い!と思っていたのですが、話を聞いたスタッフに「ここだけのスペシャルサービスだから、今度は洗濯物を持ってきてね~」とニコやかに言われてしまいました。
タイ・クラビのchinagaの寄稿でした。