「タイ・ロイヤルプロジェクト」製品がスゴイ! コスメ、コーヒー、洋服etc.おすすめをご紹介
サワディーカー!LABタイ語学校です。
コーヒーで有名な「ドイトン」、無農薬果物で作ったジュースが有名な「ドイ・カム」、スキンケアやコスメで有名な「アバイブーベ」。タイ国王一族の発案から生まれたプロジェクトの代表的な3ブランドをご紹介。どれもこれも品質の高さは保証付きです。
タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿
รับเครื่องดื่มอะไรดี/รับอะไรดีคะ (店員さん)
ラップ クルアンドゥーム アライ ディー/ラップ アライ ディー カ?
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1.ケシ栽培からコーヒー栽培へ。コーヒーの他食器や洋服も「ドイトン(Doi Tung)」
プミポン国王が、タイ北部山岳地帯に暮らす人々が焼畑農業とケシ栽培で生計を立てる様子を見て、これを助けるために始まった農業支援プロジェクトが「ドイトンプロジェクト」。その後「ドイトン」ブランドを立ち上げるべく、始まったのがケシ栽培をコーヒー栽培へというスローガンでした。 そう、代表的な製品がコーヒーなのです。
「ドイトンコーヒー」の生産地である村は、ゴールデントライアングルと呼ばれる世界有数の麻薬製造地帯で、村人の多くは貧困から数世紀にわたって麻薬の製造を生業としていました。村のほとんどの住民は、教育を受けられなかったため、麻薬製造以外でのお金を稼ぐ術を知りませんでした。
違法だと分かっていても、効果が分からないと売れないのため、自分たちで麻薬の味見をしなければならず、 そのために健康を害したとしても、やらざるを得ないという状況でした。こうした状況にタイでは1988年に王室プロジェクトとしてケシ栽培からコーヒー栽培への転換に乗り出しました。
ところが、素人の村人たちにはおいしいコーヒー豆の生産は出来ませんでした。クオリティの高いコーヒー豆を作るために、実はある日本人が活躍したそうです。世界3000カ所以上のコーヒー農園を熟知する「コーヒーハンター」とよばれていたヒトでした。彼はタイ北部の現地に度々訪れ、イチから苗を作り、指導。タイの気候に適した新しい品種を取り入れ、現在のおいしい「ドイトンコーヒー」を生み出しました。今では東南アジア有数のコーヒー豆とまで呼ばれるようになり、日本航空のバンコクー日本便に採用されるまで(現在は不明です)になりました。
「ドイトンコーヒー」を作り上げたその日本人は「かわいそうなヒトが作ったから買ってあげましょうっていうのはチャリティーです。これだけおいしいものを作ったのだから、それだけの価値があるコーヒーだからその金額を払う。そのお金を払うことによって彼らは貧困から脱出することができるし、麻薬撲滅のためにコーヒーで自活できるようになる。コーヒーを変えれば世界を変えることができると思っています」と語っています。カッコイイ!
確かに「かわいそうなヒト」が作ったとしてもそれが「おいしいモノ」でなければ、買う側も作る側も長続きしません。日本で「ドイトンコーヒー」を取り扱うコーヒー卸会社は、コロナ禍以降、3倍もコーヒーの売り上げが上がったそうです。日本からタイに気軽に旅行に来れなくなったヒトがタイを懐かしんで、家で仕事をする時間が増えてコーヒーを飲む機会が増えたため、と理由はいろいろありそうですが、おいしくなければ、これだけ消費者が増えるワケないですよね。
また、あまり知られていませんが、「ドイトン」では、コーヒーの他にマカデミアナッツが有名で、その他にもファッショナブルで質の高い洋服やバッグ、センスの高い食器なども製品化、売られています。洋服は糸から作り、生地にしたり、染めたり、その行程にタイ北部の農家のヒトたちが関わっています。正直言ってそんなに安くはありません。が、口に入れるもの、身にまとうもの、生活を彩るものに、こだわりを持って生産しているのが実感できる上質なものばかりです。
【ドイトン(Doi Tung)オンラインショップ】
https://shop.doitung.com/
【メーファールアン( Mae Fa Luang )財団ショップ(ドイトン製品販売スポット)】
メーファールアン財団は1972年にタイの前プミポン国王の故母后によって創設された非営利団体。現在、バンコクを中心に「メーファールアン財団ショップ」として、「ドイトン」製品を販売しています。地図でご紹介しているのは、バンコクMRTカンペンペット駅すぐにあるオートーコー市場内のショップ。
2.有機農野菜やフルーツから作った製品がおいしくてカラダにもいい。「ドイカム(Doi Kham)」
「ドイカム」は、タイ北部と北東部の山に住む人々の貧困をなくし、生活の質を高めるというプミポン国王のビジョンの下に設立された「ドイトン」と同じスタイルのプロジェクトであり、ブランドです。違いは、有機農栽培で作られた野菜や果物を地元の農家から購入し、現地に工場を建てて、商品化。カラダによく、適正な価格を設定するなど、原材料から製品づくり、販売にいたるまでを国家プロジェクトによって手がけています。
「ドイトン」との違いは、食料品、加工品に特化している点でしょうか。トマトジュース、トマトケチャップ、トマトペーストなどのトマト製品。そして、各種ドライフルーツ、ハチミツなどが有名です。そして一番身近なものがジュース。パッションフルーツ、マンゴー、ライチ、ストロベリー、グアバなど、日本で買うととてつもなく高そうなジュースがリーズナブルな価格で売られています。サイトによると200種類以上の商品があるようです。
うれしいのが、スーパーやコンビニなど、どこででも手に入れられる点。小さな蜂蜜はここ田舎のクラビのコンビニでも売られているます。けれども、タイでしか買うことができない貴重品。いつか日本にお土産として持って行きたいものの候補ナンバーワンです。これらの活動で得られた売上は生産者に還元されるとともに、さらにプロジェクトを発展させるための研究資金にあてられるそうです。
【ドイカムショップ(Doi Kham Shop)】
ドイカム専門店は、バンコク市内だけで28店舗。ロータスや病院内にも多くあります。地図でご紹介しているのは、その中でも品数が多く揃っている専門店。食品の他にもお風呂グッズなども売られているようです。また、カフェも併設しているので、ショッピングの後にカフェでまったりというのもいいですよね。
3.タイの伝統的医療と西洋医療を統合した最先端病院が生み出した健康と美容製品が揃う「アバイブーベ」
医療施設ができる前のタイでは、体調が優れない時はお寺へ行き、マッサージやハーブを使った治療を受けてきたそうです。このタイの「伝統的な医療」と「西洋医療」を合わせた最先端統合医療研究、教育、開発の拠点となっているのが「チャオプラヤ・アバイブーベ国立病院」です。これは、創立者である国王の名前で、ハーブの国立研究機関としても、世界から注目を集めている機関です。
農場では、ハーブの栽培、収穫から感想までを一環して管理。40ヘクタールの農場の中心部に500メートル幅のベルト地帯を設けることで、他の地域からの飛散物を防ぐなど徹底した対策を行なっています。土地にあった農作物の選定、栽培方法の指導、加工、輸送、売買方法、生産計画に至まで、トータルに渡って指導がなされ、世界各国の「自立する農業」の手本とさえ言われているほど徹底されています。
最新医療とあわせてタイの伝統的ハーブや代替医療を含むさまざまな両方で治療を受けることができる「チャプラヤ・アバイブーベ病院」の敷地内には、ハーブ研究機関、製品研究施設、製品工場があり、治療用ハーブ医薬とともにオーガニックブランド「アバイブーベ」製品の製造も行なっています。
病院の敷地内には、医療施術としてのエステやマッサージ施設も併設。リハビリや健康を目的とした施術治療のために多くのヒトが利用しているようです。もちろん「アバイブーベ」製品の販売ショップもあります。その製品のアイテム数は150以上。バンコク市内に専門店がありますが、その品揃えは病院内が一番だと言われています。
ハーブ医療の一環として、肌の健康のために開発されたスキンケア、ボディケア、シャンプー製品は、スーパーやコンビニにも売られており、アタシはバタフライピーのシャンプーとコンディショナーを使用しています。スキンケア製品も使いたいのですが、残念ながらクラビでは手に入れることができません。バタフライピーのシャンプー&トリートメントは、コロナ禍前に来ていた日本人旅行者に聞いて知りました。クラビで探しに探しまくって、ロータス内で見つけた時には歓喜しました。2009年にはアバイブーベジャパンが設立されたようで、日本でも購入可能のようですが、なんせ、高すぎる。タイで購入して使用するに限りますね。
【チャプラヤ・アバイブーベ病院(Chaophraya Abhaibhubejhr Hospital)】
宮殿のような建物がシンボリック。マッサージやスパ、レストランの評価が高く、個人の身体にあわせたハーブも調合も行なってくれるようです。ただ、タイ語が堪能でないとむつかしいようで、日本人はツアーで行くヒトが多いようですが、時間や自由に制約があるようです。語学に自信がないけれど、いつか自力で挑みたい場所です。予約すれば一般人の利用予約も可能のようです。
4.タイ・ロイヤルプロジェクトのパワー
1966年に設立された「チャプラヤ・アバイブーベ病院」は、過去の国王によるものだけれども、「ドイトン」「ドイカム」に関しては前プミポン国王の業績が大きいタイ国家プロジェクト。しかしながら、今においても伝承されているのだから、その功績はいずれも大きいものだと言えるでしょう。さすが、国王を敬愛する国だといえます。今後もますますハーブや有機農野菜や果物の分野において研究がなされ、人々の健康のために発展することを願うばかりです。
タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿でした。