「タイ国際航空」は今後どうなる!?会社更生法から約半年。現状と展望
サワディーカー!LABタイ語学校です。
今年5月、破産による会社更生手続きが申し立てられていた「タイ国際航空」。9月に正式にタイ中央裁判所から会社更生命令が発令されました。そしてさらに10月。「タイ国際航空」により、日本における「タイ国際航空」の財産などの保護など、日本での救援策も申請。東京地方裁判所でこれが承認され、債権者による強制執行処分などをまぬがれる判決が出され、今後、タイ政府、裁判所の管理のもと、再建を進める予定となっています。しかしながら、ここ2020年度末にきて、タイにおけるコロナ禍第二波の懸念が勃発。さてさて、どうなるやら。
タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿
1.現在のタイ国際航空の運行状況
2021年1月より、日本ーバンコク間の国際便を予定している「タイ国際航空」。まずは、その運行予定をご紹介します。(2020年12月28日現在の情報です。今後変わる可能性も考えられますので、確認をお願いします)
【タイ(バンコク・スワンナプーム空港)発】
・ バンコク発→成田行(TG642便・23:55発→07:40翌日着)火・水・土曜日の週3便<2021年1月5日~>
・ バンコク発→関西行(TG622便・23:59発→07:20翌日着)土曜日週1便<2021年1月9日~>
【日本発】
・成田発バンコク行(TG643便・11:45発→17:05着) 水・木・日曜日 週3便<2021年1月6日~>
・関西発バンコク行(TG623便・11:00発→15:45着)日曜日週1便<2021年1月10日~>
特筆すべきなのは、関西空港からの往復便があること。現在、タイから日本への直行便は成田か羽田のみですが、この「タイ国際航空」が予定通りに運行されれば、コロナ禍後、初めて関西空港へ、関西空港からタイへダイレクトに往復することができます。もちろんご存知の通り、日本人の日本への入国はともかく、タイへの再入国条件はご存知のように多々ありますが。関西方面へ帰国予定のあるヒトにとっては、朗報といえるでしょう。
ただ、バンコクやチェンマイなど国内線の運行を12月25日のクリスマスから開始するとしていた「タイ国際航空」ですが、先日、2021年1月1日からの開始に延期を発表。昨今のタイにおけるコロナ禍の第二波による影響も懸念されており、日本へのダイレクト便も含めて、さらに延期になることにならないことを願うばかりです。
2.なぜタイ国際航空は会社更生法を申請しなければならなかったのか
今年2020年に「タイ国際航空」が会社更生法の申請、つまり破綻したのは、コロナ禍の影響のように思われている方も多いと思います。実際、アタシ自身もそう思っていました。が、調べていくと、コロナ以前から最大の株主(タイ政府・タイ王室)とともに「タイ国際航空」の将来について話し合われていたようです。もちろんマイナス方向への話し合いです。その理由として大きく取り上げられているのが負債問題。その額は2,500億~2,600億バーツともいわれています。
ではなぜ、そんなに負債が膨れ上がってしまったのか。それは、汚職と天下りによる散財が大きい要因のようです。あくまでも噂の範囲ですが、わずかな期間でも「タイ国際航空」の取締役に就任したヒトは、世界各国のビジネス、ファーストクラスの席が無料にて手に入るというタイ特有の特権などが理由のひとつとして挙げられています。これは、現役だけでなく、過去に取締役になったヒトすべてが得られるものとも。真偽については確かではないので、ひとつの架空の話と捉えてもらいたいのですが、これが真実ならば、とんでもないですよね。「タイ国際航空」の取締役の座を誰もが狙いたくなるのもわからなくないです。
ただ、3年ほど前のロールス・ロイス社がタイ航空機に自社エンジンを採用するように働きかけ、ワイロをばらまくという大問題が明るみになった事件、代理販売店との癒着問題。そしてついこの11月に有罪判決が言い渡された、元タイ航空会長が日本へ旅行した際、300kg!!!もの超過手荷物の支払いを行なわなかったとされる事件。などを鑑みれば、あながち不正や天下りによるやりたい放題の噂も否めません。
そもそも民営化も含めて話し合われていた「タイ国際航空」。現在、タイのビール会社大手「ビアチャーン」を配下に持つ、国内有数の財閥大手「TCCグループ」が、救済、民営化に名乗り挙げていると報道をするメディアもあり、今後の展開に目を離せない、といったところでしょうか。
3.そもそもタイ国際航空はどんな会社?
設立は1959年。タイ国内の航空会社「タイ航空(Thai Airways)」とスウェーデン、デンマーク、ノルウェーの3つの国が共同で運営する「スカンジナビア航空(Scandinavian Airlines)」の合弁事業として始まりました。1960年、海外の初就航は、日本(当時の羽田国際空港)。これを皮切りに、1970年代にオーストラリアやヨーロッパ、1980年には北米への運行を開始しました。
2007年、国内線の離発着の多くをドンムアン空港に戻し、チェンマイ、チェンライ、プーケット、クラビ線の一部はスワンナプーム国際空港を継続して利用するようふたつの空港の使い分けを開始。2012年、新ブランドである主に国内線をメインとする「タイ・スマイル」を設立。近年はLCCが台頭するようになりエア代金が格安となりましたが、荷物が多い場合はタイ航空プラスタイスマイルを利用したほうが格安のため(LCCの預けて荷物料金が極端に高額)、タイ航空プラスタイ・スマイルの組み合わせで、クラビへ旅したものです。
旅先と荷物重量、タイミングを綿密に計算して、いかに格安で行けるか、タイへの旅のスケジュールを組んでいた頃がすでに懐かしい思い出となっています。2010年代に入り、日本へは、札幌、仙台、関西、名古屋、福岡へと次々に路線を拡大していき、話題となりました。
4.タイ国際航空の今後の展望
タイは観光立国です。外国からの外国人観光客が見込まれない中、多くの観光業をはじめとする、飲食業やホテル業などが悲鳴をあげてながらも、手探り状態で試行錯誤していました。そして、民間含めて多くのプロモーションが行なわれた結果、タイ人によるタイ国内旅行において、わずかながらも活気を取り戻してきていました。
そして、ここに来てのタイ国内でのコロナ感染者の急増。ある航空会社の責任者はこう語っています。「結果、12月がコロナ危機に最も苦しむ月になるかもしれない」と。通年であれば、タイ各所で一番盛り上がる年末年始。今は自分自身を守ることがヒトへの優しさと考え、それぞれができることを実行し、コロナの収束をただただ願うのみです。
タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿でした。
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