【春節 2023】本当に中国からタイへ観光にやってきたのか!?今後のタイ観光業の行方

サワディーカー!LABタイ語学校です。

中国の「ゼロコロナ政策」が緩和したことを受け、中国の海外旅行者が海外に飛び出す、という前評判が。春節期間中、中国人は果たして本当にタイにやってきたのでしょうか。

 

 

1.中国人の海外旅行予約件数、前年度比540%!?

121日から中国の旧正月、春節の大型連休が始まりました。3年ぶりに行動制限がない中で迎えた今年の春節ですが、さらに、中国本土から大勢の観光客がやってくるのではないか、という前評判から世界各国が右往左往。特に中国からの観光客を望んでいるタイとしては、今まで通り、中国からの観光客は保険だけが義務付けられました。

一方でタイ国政府観光庁は「今年中に500万人の中国人観光客が訪れる」と予想。中国の新型コロナウイルスの感染拡大を厳しく封じ込める「ゼロコロナ政策」が大幅緩和したことを受け、中国の海外旅行需要はとても活発化していからです。中国の大手オンライン旅行会社「トリップドットコム」の調査によりますと、春節期間中(12127日)の海外旅行予約件数は前年度比で540%に上昇。今まで、実質外国旅行が禁止されていたため、当然と言えば当然の結果なのではないでしょうか。

特に中国本土から東南アジアへの旅行予約数は、前年同期比1026%!!!!!だとか。最も人気があるのはタイで、次いでシンガポール、マレーシアと続くそうです。ちなみに、日本は中国人観光客が10位以下。その理由として、日本側の水際対策強化によるものと指摘されています。アメリカの旅行関連プラットフォームを提供している「ソジャーン社」によれば、春節を含む期間中の旅行先として、中国本土の中国人が最も検索しているのがタイ。中国側のリサーチと同じ結果が出ていますが、次いで日本、シンガポール、フィリピン、マレーシア、台湾、韓国、中国、香港といった順で、検索と予約には差が出ているようです。

日本政府は14日から、中国本土からの入国者に対して入国時のPCR検査、出国72時間前に受けた検査の陰性証明書の提出を義務付けました。結果、中国から大反発をくらい、日本人の入国を制限。この日中双方の規制により、検索はしているものの、日本の観光地への中国人観光客は、ごくごくわずかになったようです。

 

 

2.タイでの春節の様子。そして中国人観光客

3年ぶりにコロナ以前の賑わいだった春節。うちの前の家の人まで爆竹を鳴らして、犬が吠えていました。アタシの印象では、大晦日にあたる1月21日のほうが爆竹が多く鳴らされ、正月である1月22日はイベントなどが開かれていましたが、爆竹の数は少ないように感じました。ここクラビだけなのかな。

タイ国政府観光庁(TAT)は、今年の訪タイ中国人観光客が500万人を超えると期待感を示し、格安航空会社の中国便が大幅に増便されることが予想されると述べています。TATはまた、また、今年の訪タイ者数ランキングは1位中国、2位マレーシア、3位インドの順になる可能性があると発表し、タイ空港公社(AOT)は、春節でタイを訪れる中国人の入国者数が10万人に上ると予測しています。

では、実際はどうだったのでしょうか?体感的には中国人はあまり見かけなかった印象があります。バンコクはわかりませんが、チェンマイやプーケットに多く中国人観光客が訪れるという噂を聞き、それぞれの旅行関係者に聞いてみましたが、あまり見かけなかったとのことです。

アタシの暮らすクラビのアオナンビーチには、西洋人観光客は多く見かけるようになりましたが、中国人は見かけませんでした。これは春節の期間も同じでした。一度、レストランでそれらしき人を見かけたのですが、グループで来ていて会話が英語だったので、違うのだと思います。まさか、直接「中国から来た中国人ですか?」とは聞けないので。

ランタ島でバンガローを経営している友人に聞いてみると、ひとりでやってきた中国人が何泊かしていたそうですが、それ以外は見かけもしなかったそうです。ニュースで見かけたのですが、やはりまだ海外に出ていく勇気がない中国人が多かったようで、春節の連休は中国国内の旅行に出かけた人が多かったようです。

中国政府は最近、春節が明けた2月6日から海外への団体ツアーの販売を解禁すると発表。対象となるのは、タイ、インドネシア、ロシア、ニュージーランド、フィジーなど20カ国で、中国に対して水際対策を行っている日本、韓国、アメリカなどは含まれていません。中国メディアによると、海外旅行の需要が高まり、今年夏ごろには中国から海外への観光者数が2019年の5割にあたる7500万人以上にまで回復する見通しだといいます。

中国本土にいる中国人が旅をする場合、そのほとんどが団体ツアーだといいます。もし本当にタイヘの旅行者が実質少なかったとすると、2月以降、夏あたり頃にはまた、以前のように増えるのかもしれませんね。

 

 

3.今後、タイへの観光客はますます増えるのか

今年、外国人旅行者の増加を見込んでなのか、タイ政府は6月以降、外国人旅行者から300バーツの手数料を徴収する計画を立てています。タイ国政府観光庁によると、徴収した資金は、緊急事態が発生した観光客の支援や新たな観光地の開発などに充てるとのこと。

また、タイ国営メディアがタイ国政府観光庁が政府に対しインタビューを行なった際、外国人旅行者の滞在可能期間の延長を2023年末まで延長するよう要請していると、報道しています。これは、「外国人旅行者の出費を増やすことで観光収入を増やし、経済を刺激するため」の一時的な措置で、当初は2022年10月から2023年3月末までの期間限定でしたが、その期間を延長する形となります。この措置で、ビザなしで入国した渡航者は45日間(通常は30日間)タイに滞在できます。

オンアライバルビザ(タイの空港で取得できるビザで、中国、台湾など18の国と地域のパスポート所持者対象)を取得した渡航者は30日間(通常は15日間)の滞在が可能になります。どうなるのかは未定ですが、1ヵ月以上滞在する中国人は少ないけれど、2週間以上滞在できるといろいろ旅行できるので、中国人観光客を呼び込みたいタイとしては、いいアイデアなのではないでしょうか。

 

タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿でした。

 

 

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