セブンイレブンの運営も行なうタイ最大企業「CPグループ」が、3万人弱の雇用を宣言

サワディーカップ!LABタイ語学校です。

タイの最大企業「 CP(Charoen Pokphand Group)」。タイ在住の人なら一度は冷凍チキンやポーク、調味料からあらゆる食材で「CP」マークを見たことがあるのではないでしょうか。食品を中心に展開するグループ関連企業「CPフーズ」では、タイ労働省との協議の結果、新卒者8,000人を含む16,000人を採用。さらに管轄のフランチャイズ店舗の拡大をすすめることで、中小企業経営者の育成も促進する考えです。また、セブンイレブンを運営する「CPオール」では、1万人の採用を目指しています。さらには、この難しい時期に増資を行ない、M&Aもどんどん行なっていくという積極的展望も。この雇用の背景、さらには、CPグループの歴史、現状をレポートします。

タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿

< 経営 >などの関連記事

 

1.雇用を生み出し、経済復興を担う「CPグループ」。なかでも食部門への期待は大

28000人の採用を計画していると語る「CPグループ」。この数字は全体の従業員の10%に相当するといわれており、この数字の大きさ、覚悟のほどがうかがえます。なかでも食品部門の関連会社「CPフーズ」へは、社会だけでなく政府からの期待が大きく、タイ労働省とも様々な話し合いがもたれた結果、雇用を促進するだけでなく、社会保障、生活費への協力を目的とした「割引クーポン」などを発行する覚書も両者間で交わされました。

さらに、「CPフーズ」は、社員獲得のみならず、中小企業のオーナーとしての養成にも意欲的です。各スーパーマーケットの内外に店舗を展開するフライドチキンの「FiveStar」も「CPフーズ」の管轄。今後、フランチャイズのオーナー、つまりは中小企業家を送出すべく、専門家のガイダンスなどを強化し、タイ国内で4,500店舗以上の拡大を狙いたいと意欲的な発言をしています。

これは、コロナ禍を受けて、失業を抑制し、経済を活性化するための政府と企業による作戦といえるのでしょう。人間が生きていく上で大切な「食」。とりわけタイ料理やタイフルーツが世界的に支持されているのは、コロナ禍後も、食品の輸出が減るどころか、増えていることからもうかがえます。今年5月、タイ商務省の発表によると、世界経済が深刻な混乱状態に陥り、全体的に商品の輸出量の出荷が減少したにもかかわらず、 タイの農産物の輸出は、 2.5%増加。なんと、冷凍および加工果物と野菜の輸出は83%も急増しました。世界で販売されているマグロ缶の5分の1を供給し、年間売上高が40億ドルを超えるタイユニオンは、2020年の上半期には売上高が6%増加したとか。

全体として、タイからの総出荷量のうち食品輸出の割合は16%から22%に、5%もはね上がりました。これは、世界でも珍しいケースのようです。中国への輸出はさらに増加。とりわけ「ドリアン」は中国人には大人気のようで、この5月の出荷量は15%増加。タイへの旅行をすることができなくなった中国人たちの「せめて、タイならではの味だけでも堪能したい」というコロナ禍がもたらした、ある種の良い結果ではないでしょうか。タイ商務省の担当者も「タイ輸出部門において、今後数年間のうちに、タイの食品は間違いなくスター製品に躍り出るでしょう」と、タイ商務省の担当者も意気揚々と語っています。

 

 

2.ロンドン証券取引所で一部上場。タイ最大企業「CPグループ」ってどんな会社なの?

CPグループ ( Charoen Pokphand Group.) とは中国東部出身のタイチャイニーズが基礎を作った複合企業グループ。タイで最大の複合企業グループとして、農業分野や食料品の分野を中心に、通信、不動産分野にも精力的に進出しています。現在、全部で8つの分野での事業、世界13カ国に進出。タイ随一のグローバル複合企業といわれています。特に、中国へは積極的に進出しており、それは、世界に広がる華僑にとってとても珍しいことのようですが、中国へ貢献する最大の外資系企業といわれています。世界中で活躍する華僑は、本国、中国への投資や進出に消極的と一般に言われていますが、その積極性は珍しいとされています。

創業者の謝易初(エークチョー・チェンワノン)氏は、1921年にタイへ移住。後を追ってタイへやってきた弟と一緒に始めたのは、種を専門に売る園芸店でした。その後、家畜飼料販売、養鶏業へと発展させていき、謝氏の子息らが法人化。現在のCPグループの前身である株式会社を設立。その後、同族だけによる経営を行なわず、外部からの優秀な人材をどんどん採用していき、当時としては、チャイニーズ社会としては、珍しく世襲のない現代的な運営を行なっていきます。

1971年、タイ初の世界最大のブロイラー工場を外資と合弁し、設立。あまりにもの人気に供給が追いつかず、業績拡大策として、契約農家に「CPグループ」が成長した鶏をすべて買い取るという契約、委託生産を開始。さらには、ブラックタイガー(海老)の品種改良を行ない、水産業にも進出。タイの国をエビ生産高世界一へと導きました。日本との取引としては、明治乳業と合弁し「CP明治」も設立。 アタシもよく買う、ちょっぴり高いけれども、タイでもおいしい、安心感のある「Meiji」の牛乳もCPグループだったのですね。おそるべし、広範囲にわたる事業展開です。

 

 

3.「CPグループ」食品以外への意外!?な部門への進出。そして撤退とM&A

ここまで徹底的に食品に携わってきた「CPグループ」ゆえに、小売業への進出はなかったのでしょうか。当初は小売業にも積極的に進出していたようですが、1997年のアジア経済危機以降は、小売業から撤退するようになります。その一方、まったくの異部門、通信、IT関連産業への足がかりを探ることとなります。

また、食品小売業に関しては、異なる戦略、そのノウハウごと買い上げる作戦を次々と展開していきます。ケンタッキーフライドチキン、ピザハット、そして、セブンイレブンのフランチャイズ権利を買収。一時期はロータスの株も保有していましたが、その理由は定かではありませんが、後に英国のロータスへすべて売却。さらには、1990年代くらいから、ホテルやビルなど不動産部門、総合保険部門、石油産業、TRUEなどのインタターネット部門へと進出しています。2014年のは日本の伊藤忠とも業務提携。互いに株を保有しあい、 食料や化学品などの事業で協業し、タイや中国だけでなく、ベトナムなども含めアジア市場をともに開拓し、事業を拡大し続けいます。

 

 

4.批判もはねのけ、コロナ禍後も躍進し続ける「CPグループ」

これだけの大企業に成長した「CPグループ」。当然、タイ国内でも経済を独占しているのではないのか、と批判が相次ぎ、「タイの経済を独占しているのではないか」と、数年前には「セブンイレブン」の不買運動まで行なわれていました。日本でも、日本ではあまり派手な不買運動は展開されませんが、「 飲食店の敵は飲食店ではなく、コンビニだ!」という話を聞いたことがあります。いずれにせよ、種から始まり、食へ、そして異業種へ、世界へ。反発をも乗り越え、タイのために、タイの人たちのために躍進する姿勢、素晴らしいものを感じます。

 

タイ・クラビ在住のchinagaの投稿でした。

 

เขามีความรู้เกี่ยวกับการผลิต

カウ ミー クワーム ルー ギアウ ガップ ガーン パリット

彼は生産についての知識を持っています。

<経理の場面>に関するタイ語音声とタイ語記事コチラ

 

 

LAB thaiko先生のブログ

LABthaiko先生のブログは2018年に産まれて日々多くの記事を作成しています。タイの様々なお役立ち情報を時にはタイ語を交えながらの記事にしたり、ニュースサイトとして、情報媒体としての役割を果たせるよう、もっと皆さんにタイについて知って頂けるようこれからも情報を発信していきます。