投資金額約33億バーツ!!フードデリバリー会社「LINEMAN(ラインマン)」とタイのぐるなび「 WONGNAI(ウォンナイ)」が合併

サワディーカップ!LABタイ語学校です。

2016年から「ラインマン」と「ウォンナイ」はビジネスパートナーであったものの、さらにフードデリバリー事業を充実するために合併すると発表。9月2日「LINEMAN WONGNAI(ラインマン ウォンナイ)」が発足しました。正確にいえば「ラインマン」による「ウォンナイ」の吸収合併にあたります。が、最高責任者についたのは「ウォンナイ」の創設者、Yod Chinsupakul氏。 合併に際して、投資会社から投資された金額は、なんと約33億バーツ!!!! このあたりの真相、新たなる戦略とは、この莫大な投資金額にのワケとは、フードデリバリー業界のこれからとは。ちょっと大げさだけれども、タイ経済の将来についてまで、考えたり、調べたりしてみました。

タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿

 

1.フードデリバリー会社「LINEMAN(ラインマン)」とは

残念ながら、アタシの住むクラビでは「ラインマン」はまだないのですが、現在、バンコクはもちろん、チョンブリ、チェンマイやプーケットなど、タイの主要都市は網羅されています。合併時、さらにエリアを拡大していくと発表しているので、クラビへの参加が待ち遠しいところです。アプリを入れると「ウーバーイーツ」などと同じように、ドライバーの顔写真が表示されたり、現在地の確認などが出来るので、その発足当時から安心できると、在タイ日本人には、とても評判がよかったようです。

最大の魅力は「LINE」で通知が来ること。日本人はもちろんですが、タイ人にも「LINE」ユーザーはとても多く、なんだか身近に感じることができ、安心できますものね。「ラインマン」がデリバリーを開始したのが2016年。開始当初から「ウォンナイ」とビジネスパートナーシップを結び、展開していました。 ご存知の通り、「LINE」は韓国の企業ですが「LINE Corp.」の拠点地は東京。「ぐるなび」や「トリップアドバイザー」に馴染みのある日本人にとっては「ウォンナイ」のイメージがしやすく、このあたりも、日本人にとっての安心材料になっているのではないでしょうか。

 

 

2.圧倒的なPV数を誇る、タイのぐるなび「 WONGNAI(ウォンナイ)」とは

「ウォンナイ」は、タイ語で「内部、インサイダー」という意味があるのだとか。ひと月に1,000万人が利用。レビュー数はタイ国内でナンバーワンといわれています。今では、レストランや屋台だけでなく、美容院やマッサージ店などの紹介、予約ができるポータルサイトとして有名です。もちろん、今はアプリによるサービスも展開中で、40万店以上の店舗が登録。タイのグルメやエンターテインメント業界のことをいちばん知る存在として、その名を轟かせています。

 

 

3.「ラインマン」と「ウォンナイ」合併の背景

合併に伴い「ラインマン」側が発表した、談話のひとつに印象的な言葉がありました。「このような合併のために、日本に拠点のある『Line Group』がこれだけの規模の投資を行なったのは、初めてのことでした」。なるほど。これだけの巨額の投資が実現した背景は、一体、何だったのでしょうか。

今回、投資を行なった、アメリカに本拠地を置くキャピタル会社「BRV Capital Management(通称BRV)」は、こう語っています。「この合併により、タイにおけるフードデリバリー業界のライバル、フードパンダやグラブデリバリーへの意識改革、サービスの充実やオンラインによる注文のプラットフォーム間の競争が加速すると予想されます」そして、こう続けました。「この画期的な、統合(合併)により、レストランとユーザーの両方にとって、よりよいユニークでシームレス(途切れることのない)システム、サービスを更新し続けていくことでしょう。これは、タイの人々とタイの企業に利益をもたらす、刺激的な新しい事業であると確信しています」と。

時代は常に進化しています。コロナ禍により、経済は思わぬ方向へ、未知なる世界へと誘われました。そこで何かを見つけ、何かを実行していった者たちだけが生き残っていくのでしょうか。タイが開国するのは、来年だ!いや、あと2、3年はかかる!いやいや、出来るだけ早く開国しなければ、経済が成り立っていかないので、近い将来、開かれるでしょう。さまざまな憶測や意見が飛び交っていますが、いずれも定かではありません。誰にも分かりません。情報に惑わされすぎず、最悪の場合、ベストな場合、希望的観測も含めて、いろいろなシュミレーションを、さまざまなケースを想定しておくことが、生き残れる、サバイバーになれる、分かれ道になるのではないのでしょうか。

話がそれてしまいました。「ラインマンウォンナイ」に戻ります。

ラインの子会社「Line Plus Corp」Eunjung Lee氏(『Line Plus Corporation』東南アジア・グローバルビジネスの責任者)は、次のように述べています。 「『ラインマン ウォンナイ』は、タイ人によって開発および運営される会社となります。タイ人はもちろん、タイに暮らすすべての人々に利益をもたらす、新しいエキサイティングなライフスタイルを生み出すことでしょう。さらに、Eunjung Lee氏は、こう続けています。「この投資による合併は『ラインマン ウォンナイ』は、フードデリバリー業界全体を次のレベルに引き上げていくのに、一役買っていくでしょう」。

投資を行なったアメリカを拠点とするベンチャーキャピタル社「BRV」社も、こう語っています。「『LINE Pay』などを含めて、初期のラウンドを主導した成長資本会社であり、韓国、日本、中国に支社を置いている『 ラインマン』は、社会性という面でも信頼が高い。そして、タイ市場に革新的なサービスを提供し、タイのローカルユーザーへ日常的にアプローチしている『ウォンナイ』と協力体制を強化していくことで、将来性がみえた。新興国企業の標準とは異なる『共同ビジネスモデル』における新しいタイプのコラボレーションに期待を持ち、投資することを決定した」と。

さらに投資会社としてのスタンスからこんな話題も。「コロナ禍によって、多くのビジネス概念が変わった。今、投資会社として出来ることは、新しいもの、新しいビジネルを追求するのではなく、現在、既存の魅力的な企業に着目すべきだ」。今あるものを最大限に生かす。次へ次へ、前へ前へ、と流れてきていた昨今。コロナ禍によってすっかり変わってしまったビジネスの概念を考えなければならない今、どんな業界にも共通することなのではないでしょうか。

 

 

4.どうなる!?これからのフードデリバリー業界。そして、タイでのビジネス

アタシがこの合併で強く感じたことは、1億ドル以上の巨額な投資額が投入されたこと。金額の問題だけではなく、その期待度の高さ。そして、この投資を行なったBRV社が「タイをよく知っているタイ人に市場と運営を任せることで、将来性を見込んだ」と述べたこと。もちろん、コロナ禍によって未曾有の経済低迷が起こるなか、数少ない経済効果を発揮した「フードデリバリー産業」に期待を持ったことが、第一前提だったのでしょう。そして、大手通信アプリ「ライン」がオオモトであるデリバリー会社とタイで最大のレストランデーターベースを持つ企業との協力体制や戦略に魅力を感じたことももちろんあるでしょう。

けれども、それだけでなく、タイの未来を、タイ経済の未来を見据えて、まだまだ発展性の余地のあるこのタイの国を、まだまだ可能性を秘めているタイ人の人間力を最大限に引き出そう、活用しよう、期待しよう、ということのへの期待度の高さを期待しているのではないか、と思えてならないのです。そう考えると、この国の底力というか、本気になったところを見てみたいなぁ、とんでもなく化けるのではないかなぁ、と、思えてならないのであります。

 

 

タイ・クラビ在住のchinagaの投稿でした。

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