1970年創業。50周年を迎える「グリコ・タイ」の昔、今、未来

サワディーカップ!LABタイ語学校です。

ある日のこと。レトロなパッケージのグリコのポッキーをタイのコンビニで見つけました。そのコケテッシュなフォルムがとても印象的だったので、調べてみると、「グリコ・タイ」は1970年の創立された超老舗ブランドで、今年はなんと50周年!アタシは関西出身なので、大阪ミナミの戎橋、通称「ひっかけ橋」に大きく輝く「グリコ」のネオンを見て育ちました。あれ?そういえば、なぜ、グリコって言うのだろう。などなど、いろんな疑問がムクムクと湧き上がってきたので、いろいろ調べてみました。

タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿

 

1.今から約100年前。革新的でクリエイティブなキャラメルが誕生


1882年、江崎グリコの創業者の江崎理一氏は、佐賀県佐賀市で生まれました。初等教育(現在の中学校)しか卒業していない江崎氏は、家庭用医薬品関連の仕事に携わります。勉強熱心な彼は昼夜問わず研究を重ねながら、業務も行うというハードな生活を過ごしたようです。研究のためであれば、どこまでも出かけていた江崎氏は、ある日、牡蠣を茹でている漁師に出会います。「牡蠣に含まれるグリコーゲンはエネルギーと健康の源である」と新聞で読んだことを思い出し、漁師にサンプルとして牡蠣を提供してもらい、九州帝国大学病院(現在の九州大学医学部)へ分析に出します。分析の結果、確かにグリコーゲンが含まれていることを確認。この結果をもとに、グリコーゲンを配合した食品を提供できないか、模索を始めます。

確信を持ったのは、彼の息子が腸チフスにかかったときのこと。当時の医学では、回復の見込みがないといわれていましたが、主治医からの許可を得、まだ研究段階にあるグリコーゲンのエッセンスを息子に与えます。すると、見事息子は回復。その効果を世界に広めるために貢献する一方「すでに病気になっている人を治そうとするよりも、病気に強い体を作る方がいい」「グリコーゲンを最も必要としているのは成長期の子供たち。子供たちが大好きなキャラメルにグリコーゲンを入れてみてはどうか」と、研究に関わった医師からアドバイスと提案を受け、江崎氏は開発に乗り出します。

そこで、生まれたのが「グリコキャラメル」でした。さらに画期的なキャッチフレーズ「子どもたちの最も重要なふたつの使命は、食べることと遊ぶことです」を生み出します。さらに数年後、グリコのおまけのルーツともいえる、絵カード付きキャラメルを販売。アタシたちが子供のころは、このおまけがほしくて、親にキャラメルをねだったものです。今でもあるこのおまけ付きお菓子の元祖は、江崎グリコだったのですね。

さらに江崎氏の言葉で感激したのは彼が理想と掲げた言葉「ビジネスとはサービスである」。これは、江崎グリコが誕生する前に訪ね歩いたヒトから教えられたという「ビジネスとは、自分のためだけではなく社会のためでもある」「売り手は商品を売ることで利益を得る。買い手は費やしたお金に見合う製品を手に入れることで利益を得る」というフレーズからきたもの。自身の子供が救われたように、たくさんの子供たちも健康でいてほしいと願ったからこそ生まれた数々の製品たち。今、多くの健康のため、栄養を考えて、子供たちの未来のために、という言葉を多く聞きますが、江崎氏のクリエイティブな製品はその元祖だった、といっても過言ではないのでしょうか。

 

 

2.創業50周年の今年、さまざまなプロモーションを展開

グリコが初めて海外に進出したのがタイ。1970年のことです。当時、タイ政府の方針で投資目的の外資企業誘致がさかんに行われ、日本をはじめとする諸外国の企業がこの時代タイへ進出したようです。思うに、日本の食品メーカーでこれだけの長期間ビジネス展開をし続けているのは、グリコだけではないでしょうか。グリコが最初に売り始めたのが「ポッキー」だったとか。今では、おみやげの定番となっているタイならではの味「ラープ味 プリッツ」や遊び心いっぱい期間限定の「スイカ味ポッキー」など、次々に新製品を販売しています。


50周年記念として販売されたのは、90年代風のレトロなパッケージデザイン。人気の元祖「 ポッキーチョコレート」 「ポッキーストロベリー」「ポッキークッキー&クリーム」「プリッツラーブ」「プリッツコーン」のパッケージは、その時代を知らない学生からその時代を知るそれ相応の年代にいたるまで大人気で、コンビニなどではすぐに売り切れました。
さらには、「子どもたちの最も重要な二つの使命は、食べることと遊ぶことです!」との創業者、江崎氏の言葉をそのままに、さまざまなおまけ、キーホルダーからバッグまでギフトセットとして販売され、こちらもまたたくまに完売したとか。残念ながら50周年キャンペーンは9月で終了してしまいましたが、「タイグリコ50周年、美味しさは変わらない」のキャッチフレーズとともに、大盛況に終わったようです。

 

 

3.「グリコ・タイ」50周年の歴史がもたらす影響。それはずばり優秀な人材

タイのテレビコマーシャルは時にはとてもユニークで、時にはとてもロマンチックで、ストーリー性が豊かで、業界のみならず、視聴者にも好評なことで有名です。グリコもご多分にもれず、ユニークなコマーシャルを展開しています。日本人にも大人気のBKN48が参加するイベントを催したり、「グリコ・タイ」の人気のひとつは、このさまざまなプロモーションを打ち出すことでもあります。注目すべきなのはこれらを手がけるのは、すべてタイ人スタッフだということ。

その社員たちの多くが、子供のころから慣れ親しんでいる「グリコ」ブランドに魅了されたといいます。あるマーケティングスタッフは「歴史と信頼性の高さでグリコを選んだ」と。あるスタッフは、「子供のころから大好きだったポッキーの会社に入れるなんて夢のよう」と。そのブランディング力だけでなく、革新的で新しいアイデアを受け入れてくれる社風にも、入社してからも、魅了され続けていると。

昨年、2019年には、前年度に引き続き、ユニクロとのコラTシャツも販売。タイ人に人気の抹茶の色をしたTシャツもステキな色あいでデザインもセンスも抜群。優秀な人材が思う存分チカラが発揮できる会社。なんだか、ここでも創業者である江崎氏のマインドが生き続けているような気がしてなりません。

 

 

4.コロナ後も、子供たちへ、医療現場へ、と、社会貢献

創業者、江崎氏の理念でもある「事業を通じて社会と未来に貢献する」は、コロナ後も発揮されています。現在のグリコグループの企業理念である「最高の味で健康的な生活」をさらに推進すべく、さまざまなボランティア精神が発揮されています。
コロナによって、困難な状況になってしまった社会を助けるために最善を尽くしてくれた医療専門家に心から感謝。また、社会的弱者である子どもたちのメンタルケアを支援する施設へ多くの支援を実施。タイ赤十字社を通じて、 国立血液センターとチュラロンコン病院へ、さらには 病理学研究所や国立小児保健研究所(こんな研究機関がタイにあるなんて初めて知りました!)や各種財団などへ「ポッキー」などを子供たちから大人まで喜ぶ品を寄付。

100年ほど前に「グリコ」ーゲンによって救われた子供たちがいたように、今を生きる子供たちが、「グリコ」によって救われることを、日本人として誇りに感じつつ、願ってやみません。

 

 

タイ・クラビ在住のchinagaの寄稿でした。

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